約 2,625,513 件
https://w.atwiki.jp/medadictionary/pages/2319.html
ミステリーダー メダロット一覧 ⇒ ま行 - S 探偵型メダロット(DTT) 登場作品 S ミステリーダー 機体概要 メダロット探偵団関連施策メダたん メダロット謎 機体説明メダロットS 登場人物としてのミステリーダー漫画「メダたん」、メダロットS 関連機体 機体性能メダロットS 機体概要 メダロットS初出の探偵型メダロット。 メダロット探偵団として公開された、3体のメダロットのリーダーである。 探偵モチーフのメダロット自体は、メダロットRにて登場したパイプブレインに次いで2体目。 こちらはシャーロック・ホームズがモチーフのパイプブレインとは異なり、探偵という職業そのものがモチーフという違いがある。 共通点は、いずれも索敵に関する行動および技を扱う点である。 上半身は探偵ーー恐らくはシャーロック・ホームズのイメージが投影されている。 頭部側面や脚部には、レンズの様なパーツが装着されている。 頭部左側面には虫眼鏡が付いていて、後頭部のマニピュレータで保持されている。 後述のメダたんでの描写によると、マニピュレータは自由に動かせる。 また、頭部パーツ使用時には虫眼鏡が顔前面に移動する。 下半身は19世紀の自動車を思わせ、パーツ名もそのままクラシッカー。 メダロット探偵団の3体は共に、本作にてシリーズ初参加となる倉持キョーリュー氏によってデザインされている。 メダロット探偵団関連施策 ミステリーダーをはじめとするメダロット探偵団のデザイン画公開と共に、様々な施策が行われた。 メダたん あかうめ氏作、イマジニア監修による、メダロット探偵団3体の活躍を描いた漫画、全10話。 タイトルは、「メダロット探偵物語」の略である。 作中の台詞や背景が示している様に、世界観はメダロットSメインストーリーと同一である。 メダロット公式チャンネル内メダロットニュースで3話までが先行公開。 その後、週刊メダロット通信、メダロット社公式Twitter(現X)、メダロット公式チャンネルで公開。 なお本作の後日談は、メダロットSリリース2.5周年イベント「祝祭!ロボトル〜2.5th Anniversary編〜」にて描かれる。 メダロット謎 メダロット社公式Twitter(現X)アカウントで公開された、謎解きゲーム、全10回。 毎週火曜日21時にツイートされ、正解発表は翌週のメダロットニュース内で行われた。 機体説明 メダロットS ピックアップガチャで入手出来る期間限定初期ランク☆3メダロットとして登場。 探偵メダロットの元祖たるパイプブレインとは異なり、多数の格闘能力を備えた武闘派メダロットとなっている。 各パーツの技は、探偵の推理をメダロットの技で再現したものとなっているが、 格闘攻撃が多い点に関しては シャーロック・ホームズの作中にて名前が出たのみの格闘術、バリツを意識した可能性もある。 頭部パーツは本作初出の新技となる、ファイターコア。 レーダーサイトとファイトブーストの効果を同時に付加する効果を持つ。 成功値に2つの技による補正が掛かることで、マイナス症状の付与を回避するカスリの発生を抑えられる。 この点もあって、両腕パーツと相性が良い。 右腕パーツはプラス症状を消し去り真実を暴く、エフェクトクリア。 男性型のエフェクトクリアは、オリンディアースに次いで2体目である。 左腕パーツは閃きで難事件の解決を狙うフラッシュで、ヘヴィパーツに該当する。 初期ランク☆3かつ、腕パーツのフラッシュは珍しい。 冷却値が高めのため、フラッシュの弱点である攻撃後のペナルティが比較的少なく済む。 味方のクーラーやクーラープラントで補うと、隙を減らせる。 またパーツ単位なら、脚部特性アブスコンドとの組み合わせも良い。 右腕のエフェクトクリアとは妨害クリアを解除して強力な妨害効果を与えられるため、相性が良い。 脚部特性はランドクルーザー。 車両型脚部の苦手地形を補える上、通常の地形相性ではAまでが最高のため、草原では地形相性で有利に立てる。 ヘヴィリミットは左腕を支えられる1。 加えて充冷値も、男性型車両脚部の中ではビーストキメラに次ぐ高水準。 素早く現場に駆けつけて謎を解き明かそう。 強力な妨害効果を相手に与えることが出来るメダロットだが、直接戦闘能力においては、さすがに単体では力不足である。 ワトソンーー強力な格闘攻撃を使うメダロットを入れてやると、自身の持つファイターコアもあって、ロボトルを解決に導けることだろう。 ▲ページ上部へ▲ 登場人物としてのミステリーダー 漫画「メダたん」、メダロットS メダロットのみで構成された探偵団、メダロット探偵団のリーダー。 通称はリーダー。 キッキーとベルと共に、地道な活動で実績を上げており街の人々からの評判も良い。 しばしば何もしゃべらない長考モードになるが、この時はキッキー曰く、灰色の電子頭脳がシャカシャカしてるとのこと。 ホームズだけでなくポワロの要素も持ち合わせていたようだ。 メダたんを経て、メダロットSリリース2.5周年イベント「祝祭!ロボトル〜2.5th Anniversary編〜」にて登場。 アラセとクロス、そしてメダロットシリーズにおける探偵の先輩、ソルトとアニスがキッキーを助けたところに姿を見せる。 この時、一時はソルト達とアラセを自分のライバルと見なしてしまう。 だが同じ探偵なら協力した方がいい、というアラセの言葉を受け入れ、ロボトルでその実力を測った。 + メダロット探偵団の真実 リーダー達メダロット探偵団のボスは、タイサン達新ロボロボ団だった。 メダロット探偵団は、怪事件を探ることでその渦中にあるであろうレアメダルを手に入れられると踏んだ、新ロボロボ団に利用されていた 明言されてはいないが、メダたんの時点で新ロボロボ団に利用されていた可能性がある。 だが、アラセ達の説得でタイサン達と袂を分つこととなった。 ▲ページ上部へ▲ 関連機体 (機)械傑メダロット探偵団 ミステリーダー メダロット探偵団のリーダー ワンダーベル メダロット探偵団のエージェント サイドキッキー メダロット探偵団の名犬 マスターの名にかけて!探偵メダロット パイプブレイン 真実を索敵で解く安楽椅子探偵?ホームズ型 ミステリーダー 証拠は手と足で探す武闘派探偵?探偵型 ▲ページ上部へ▲ 機体性能 メダロットS 名称:ミステリーダー (パーツ性別:男) アルバム メダロットによる探偵団のリーダーをコンセプトに開発されたメダロット。物事に隠された謎を解くことを得意とし、ロボトルにおいては相手の弱点を突くトリッキーな戦いを好む。 ※ステータスはLv90時のものです。 頭部:ディテクトール(DTT00) 装甲 成功 威力 充填 冷却 回数 Hv スキル 技 3599 - - 761 789 2 - たすける ファイターコア 右腕:ソルブアリドル(DTT00) 装甲 成功 威力 充填 冷却 Hv スキル 技 2999 909 1119 525 607 - かくとう エフェクトクリア 左腕:サドゥンイデア(DTT00) 装甲 成功 威力 充填 冷却 Hv スキル 技 2999 1289 1114 681 828 ○ かくとう フラッシュ 脚部:クラシッカー(DTT00) 装甲 射対 格対 回避 充冷 タイプ Hvリミット 脚部特性 3949 917 1276 947 933 車両 1 ランドクルーザー 地形相性 荒野 砂漠 山地 岩山 草原 森林 市街地 アリーナ 凍土 水辺 サイバー C D C D S D A S C D S ▲ページ上部へ▲ メダロット一覧 ⇒ ま行 - S
https://w.atwiki.jp/mh-hc/pages/486.html
05-47 ハンターカード カードタイトル:ヒドゥンエッジ パワー:800 ランク:★★★★ 武器系統:片手 必要素材:鱗(黄) 防具:バサルSシリーズ イラスト:Kuratch! 第5弾 海洋の王者で登場したハンター。
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/254.html
2015年4月14日 最終更新:2015年10月30日 ※2015年10月30日記 前回の更新(9月5日)以降、あまり情報を追えていないので、既刊作品に漏れもあるかもしれません。 Index 刊行順一覧 国・言語圏別一覧 予定 刊行順一覧 ※タイトルからのリンク先は、それぞれの出版社サイトの書籍紹介ページ(サイト内に書籍紹介がない場合はamazonにリンク) 既刊 1月10日 ドイツ ドイツ語 フェルディナント・フォン・シーラッハ 『禁忌』 東京創元社 酒寄進一訳 1月19日 マルティニーク フランス語 パトリック・シャモワゾー 『素晴らしきソリボ』 河出書房新社 関口涼子、パトリック・オノレ訳 1月22日 スウェーデン スウェーデン語 M・ヨート、H・ローセンフェルト 『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』【上下巻】 創元推理文庫 ヘレンハルメ美穂訳 1月24日 ドイツ ドイツ語 フランク・シェッツィング 『緊急速報』【上中下巻】 ハヤカワ文庫NV 北川和代、田中順子、岡本朋子訳 1月29日 イタリア イタリア語 ウー・ミン 『アルタイ』 東京創元社 さとうななこ訳 1月末 フランス フランス語 フランシス・ディドロ 『七人目の陪審員』 *注1 論創海外ミステリ 松井百合子訳 1月末 ベルギー フランス語 ジョルジュ・シムノン 【初の完訳】『紺碧海岸のメグレ』 論創海外ミステリ 佐藤絵里訳 2月5日 ノルウェー ノルウェー語 ヨルン・リーエル・ホルスト 『猟犬』 *注2 ハヤカワ・ミステリ 猪股和夫訳 2月13日 ドイツ ドイツ語 ペトラ・ブッシュ 『漆黒の森』 *注3 創元推理文庫 酒寄進一訳 2月21日 デンマーク デンマーク語 エルスベツ・イーホルム 『赤ん坊は川を流れる』 創元推理文庫 木村由利子訳 3月15日 スペイン スペイン語 ハビエル・シエラ 『最後の晩餐の暗号』 イースト・プレス 宮崎真紀訳 3月20日 フランス フランス語 エルヴェ・コメール 『悪意の波紋』 *注4 集英社文庫 山口羊子訳 3月23日 スウェーデン スウェーデン語 アンナ・ヤンソン 『死を歌う孤島』 *注5 創元推理文庫 久山葉子訳 4月5日 中国 中国語 普璞(ふはく) 「理解者の死」(短編/無料公開) 電子小説サイトE★エブリスタ 阿井幸作訳 4月10日 フランス フランス語 ジャン・マルセル=エール *注6 『Zの喜劇』 近代文藝社 中原毅志訳 4月22日 デンマーク デンマーク語 シュテフェン・ヤコブセン 『氷雪のマンハント』 ハヤカワ文庫NV 北野寿美枝訳 5月4日 中国 中国語 羅修(らしゅう) 「Wの喜劇」(短編) 風狂殺人倶楽部 *注7 稲村文吾訳 5月8日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・アルヴテーゲン 『バタフライ・エフェクト』 小学館文庫 ヘレンハルメ美穂訳 5月8日 アルゼンチン スペイン語 グスタホ・マラホビッチ 『ブエノスアイレスに消えた』 ハヤカワ・ミステリ 宮崎真紀訳 5月26日 メキシコ スペイン語 ホルヘ・ボルピ 『クリングゾールをさがして』 河出書房新社 安藤哲行訳 6月12日 ドイツ ドイツ語 ネレ・ノイハウス 『悪女は自殺しない』 *注8 創元推理文庫 酒寄進一訳 6月24日 スウェーデン スウェーデン語 アンデシュ・デ・ラ・モッツ 『炎上投稿』 ハヤカワ・ミステリ文庫 真崎義博訳 6月24日 スウェーデン スウェーデン語 フレドリック・T・オルソン 『人類暗号』【上下巻】 ハヤカワ文庫NV 熊谷千寿訳 6月25日 ドイツ ドイツ語 ハラルト・ギルバース 『ゲルマニア』 *注9 集英社文庫 酒寄進一訳 6月25日 イタリア イタリア語 ダニーラ・コマストリ=モンタナーリ 『剣闘士に薔薇を』 国書刊行会 天野泰明訳 6月25日 ロシア ロシア語 ボリス・アクーニン 【改訳】『堕天使(アザゼル)殺人事件』 *注10 岩波書店 沼野恭子訳 6月25日 ロシア ロシア語 ボリス・アクーニン 『トルコ捨駒スパイ事件』 *注10 岩波書店 奈倉有里訳 6月29日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・イェルハルドセン 『子守唄』 創元推理文庫 木村由利子訳 7月15日 フィンランド フィンランド語 サラ・シムッカ 『ルミッキ1 血のように赤く』(3部作) 西村書店 古市真由美訳 7月17日 ノルウェー ノルウェー語 ジョー・ネスボ 『ネメシス 復讐の女神』【上下巻】 集英社文庫 戸田裕之訳 7月29日 アイスランド アイスランド語 アーナルデュル・インドリダソン 『声』 東京創元社 柳沢由実子訳 7月29日 フランス フランス語 セバスチアン・ジャプリゾ 【新訳】『新車のなかの女』 創元推理文庫 平岡敦訳 8月6日 イタリア イタリア語 アントネッラ・ボラレーヴィ 『もしもを叶えるレストラン』(ミステリ?) 小学館文庫 中村浩子訳 8月7日 中国 中国語 程小青(ていしょうせい) 『ホー・ソン探偵集 中国的推理小説』 *注11 Amazon Services International 村上信貴訳 8月12日 スウェーデン スウェーデン語 クリスティーナ・オルソン 『シンデレラたちの罪』 創元推理文庫 ヘレンハルメ美穂訳 8月14日 中国 中国語 羅修(らしゅう) 「Wの喜劇」(短編・再頒布) *注12 風狂殺人倶楽部 稲村文吾訳 8月19日 ドイツ ドイツ語 メヒティルト・ボルマン 『希望のかたわれ』 河出書房新社 赤坂桃子訳 8月20日 フランス フランス語 ミシェル・ビュッシ 『彼女のいない飛行機』 集英社文庫 平岡敦訳 8月21日 フランス フランス語 モーリス・ルブラン 【新訳】『ルパン対ホームズ』 ハヤカワ・ミステリ文庫 平岡敦訳 9月30日 ノルウェー ノルウェー語 アンネ・ホルト 『ホテル1222』 創元推理文庫 枇谷玲子訳 10月9日 フランス フランス語 ピエール・ルメートル 『悲しみのイレーヌ』 文春文庫 橘明美訳 10月20日 スペイン スペイン語 トニ・ヒル 『よき自殺』 集英社文庫 宮崎真紀訳 10月21日 ドイツ ドイツ語 ニーナ・ブラジョーン 『獣の記憶』 創元推理文庫 遠山明子訳 10月23日 中国/香港/台湾 中国語 (アンソロジー) 『現代華文推理系列 第二集』(以下の4短編の合本) KDP 稲村文吾訳 10月23日 台湾 中国語 冷言(れいげん) 短編「風に吹かれた死体」 KDP 稲村文吾訳 10月23日 中国 中国語 鶏丁(ジーディン) 短編「憎悪の鎚」 KDP 稲村文吾訳 10月23日 中国 中国語 江離(こうり) 短編「愚者たちの盛宴」 KDP 稲村文吾訳 10月23日 香港 中国語 陳浩基(ちんこうき) 短編「見えないX」 KDP 稲村文吾訳 10月27日 フィンランド フィンランド語 サラ・シムッカ 『ルミッキ2 雪のように白く』(3部作) 西村書店 古市真由美訳 10月30日 ドイツ ドイツ語 ライナー・レフラー 『人形遣い 事件分析官アーベル&クリスト』 創元推理文庫 酒寄進一訳 近刊 秋? スウェーデン スウェーデン語 ヘニング・マンケル 『霜のおりる前に』 創元推理文庫 柳沢由実子訳 11月 スウェーデン スウェーデン語 エミリー・シェップ 『Ker 死の神』 (集英社) ヘレンハルメ美穂訳 12月 フィンランド フィンランド語 サラ・シムッカ 『ルミッキ3 黒檀のように黒く』(3部作) 西村書店 古市真由美訳 注1:フランシス・ディドロ『七人目の陪審員』 … 森英俊編著『世界ミステリ作家事典 本格派篇』(国書刊行会、1998年)では、「植草甚一が絶賛したことでも知られている。その評価に偽りはなく、まさにディドロの真骨頂が発揮された法廷ミステリの傑作である」と紹介されている。翻訳ミステリー大賞シンジケートの「書評七福神の一月度ベスト発表!」(2015年2月12日)では酒井貞道氏が1月のベストに選んでいる。 注2:ヨルン・リーエル・ホルスト『猟犬』 … 2013年ガラスの鍵賞(北欧最優秀ミステリ賞)受賞。 注3:ペトラ・ブッシュ『漆黒の森』 … 2011年ドイツ推理作家協会賞(フリードリヒ・グラウザー賞)新人賞受賞。 注4:エルヴェ・コメール『悪意の波紋』 … 2012年末の『このミス』で『水の波紋』として予告されていた作品。 注5:アンナ・ヤンソン『死を歌う孤島』 … 「【新年特別企画】2015年 東京創元社 翻訳ミステリラインナップのご案内」では『無人島の七人の女』というタイトルで予告されていた。 注6:ジャン・マルセル=エール … 『Zの喜劇』(Série Z)は2010年の作品。この作家は2012年には『シャーロックの謎』(未邦訳 Le Mystère Sherlock)という作品を発表している。ホームズ・マニアたちの変死事件の謎を解明するユーモアミステリだそうだ。「こちら」の日本語ブログでレビューが読める。 注7:風狂殺人倶楽部の同人誌『現代中国・台湾ミステリビギナーズガイドブック』の印刷特別増補版に収録。第20回文学フリマ東京(2015年5月4日)にて頒布。同書のKindle版には収録されていない。2015年9月5日より、東京・神保町の中国書籍専門書店、東方書店にて購入可能になった。「こちらのページ」から店舗での取り置き依頼および通信販売での購入ができる。 注8:ネレ・ノイハウス『悪女は自殺しない』 … 『いけすかない女』の仮題で予告されていたもの。 注9:ハラルト・ギルバース『ゲルマニア』 … 2014年ドイツ推理作家協会賞(フリードリヒ・グラウザー賞)新人賞受賞。 注10:ボリス・アクーニン『堕天使(アザゼル)殺人事件』『トルコ捨駒スパイ事件』 … 「編集者からのメッセージ」(岩波書店公式サイト内) 注11:「中国推理小説の父」と呼ばれる程小青(ていしょうせい、チョン・シャオチン、1893-1976)の名探偵・霍桑(フオ・サン、ホー・ソン)シリーズの短編を3編収録。「養子殺人事件」、「京劇女優失踪事件」、「幽霊屋敷の謎」。なお、amazonの販売ページと異なり、電書本文では訳者の名前は「満田貴信」となっている。 注12:羅修(らしゅう)「Wの喜劇」を収録した風狂殺人倶楽部の同人誌『現代中国・台湾ミステリビギナーズガイドブック』の印刷特別増補版は第20回文学フリマ東京(2015年5月4日)で頒布され完売。8月14日、コミックマーケット88にて再頒布された(東地区ペ29b)。2015年9月5日より、東京・神保町の中国書籍専門書店、東方書店にて購入可能になった。「こちらのページ」から店舗での取り置き依頼および通信販売での購入ができる。 雑誌掲載の短編マルセル・エイメ「三つの事件」(『ミステリマガジン』2015年5月号、島津智子訳) ※高野優氏主催、〈フランス・ミステリ未訳短篇発掘プロジェクト〉応募作関連記事:翻訳ミステリー大賞シンジケート、2015年3月14日 高野優「フランス・ミステリへのいざない」 ほかに、『ミステリマガジン』に近いうちにスウェーデンのヤーン・エクストレムの短編が載るらしい(『ミステリマガジン』2014年9月の小山正氏のエッセイ参照) 関連書籍(原語は英語)8月7日 ハンヌ・ライアニエミ『複成王子』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ、酒井昭伸訳)フィンランドのSF作家による英語作品。怪盗物。『量子怪盗』(邦訳2012年10月/文庫化2014年3月)の続編。 12月予定 ジェイムズ・トンプソン『血の極点』([集英社]、高里ひろ訳) 文庫化3月6日 イタリア(イタリア語) ドナート・カッリージ『六人目の少女』(ハヤカワ・ミステリ文庫、清水由貴子訳) 4月3日 ドイツ(ドイツ語) フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』(創元推理文庫、酒寄進一訳) 4月10日 フランス(フランス語) ピエール・ルメートル『死のドレスを花婿に』(文春文庫、吉田恒雄訳) ※元版は2009年、柏書房刊。 5月29日 アイスランド(アイスランド語) アーナルデュル・インドリダソン『湿地』(創元推理文庫、柳沢由実子訳) 9月12日 ドイツ(ドイツ語) フレドゥン・キアンプール『幽霊ピアニスト事件』(創元推理文庫、酒寄進一訳) ※『この世の涯てまで、よろしく』改題文庫化 国・言語圏別一覧 スウェーデン 1月22日 スウェーデン スウェーデン語 M・ヨート、H・ローセンフェルト 『模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン』【上下巻】 創元推理文庫 ヘレンハルメ美穂訳 3月23日 スウェーデン スウェーデン語 アンナ・ヤンソン 『死を歌う孤島』 *注5 創元推理文庫 久山葉子訳 5月8日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・アルヴテーゲン 『バタフライ・エフェクト』 小学館文庫 ヘレンハルメ美穂訳 6月24日 スウェーデン スウェーデン語 アンデシュ・デ・ラ・モッツ 『炎上投稿』 ハヤカワ・ミステリ文庫 真崎義博訳 6月24日 スウェーデン スウェーデン語 フレドリック・T・オルソン 『人類暗号』【上下巻】 ハヤカワ文庫NV 熊谷千寿訳 6月29日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・イェルハルドセン 『子守唄』 創元推理文庫 木村由利子訳 8月12日 スウェーデン スウェーデン語 クリスティーナ・オルソン 『シンデレラたちの罪』 創元推理文庫 ヘレンハルメ美穂訳 秋 スウェーデン スウェーデン語 ヘニング・マンケル 『霜のおりる前に』 創元推理文庫 柳沢由実子訳 11月 スウェーデン スウェーデン語 エミリー・シェップ 『Ker 死の神』 (集英社) ヘレンハルメ美穂訳 デンマーク 2月21日 デンマーク デンマーク語 エルスベツ・イーホルム 『赤ん坊は川を流れる』 創元推理文庫 木村由利子訳 4月22日 デンマーク デンマーク語 シュテフェン・ヤコブセン 『氷雪のマンハント』 ハヤカワ文庫NV 北野寿美枝訳 ノルウェー 2月5日 ノルウェー ノルウェー語 ヨルン・リーエル・ホルスト 『猟犬』 *注2 ハヤカワ・ミステリ 猪股和夫訳 7月17日 ノルウェー ノルウェー語 ジョー・ネスボ 『ネメシス 復讐の女神』【上下巻】 集英社文庫 戸田裕之訳 9月30日 ノルウェー ノルウェー語 アンネ・ホルト 『ホテル1222』 創元推理文庫 枇谷玲子訳 アイスランド 7月29日 アイスランド アイスランド語 アーナルデュル・インドリダソン 『声』 東京創元社 柳沢由実子訳 フィンランド 7月15日 フィンランド フィンランド語 サラ・シムッカ 『ルミッキ1 血のように赤く』(3部作) 西村書店 古市真由美訳 10月 フィンランド フィンランド語 サラ・シムッカ 『ルミッキ2 雪のように白く』(3部作) 西村書店 古市真由美訳 12月 フィンランド フィンランド語 サラ・シムッカ 『ルミッキ3 黒檀のように黒く』(3部作) 西村書店 古市真由美訳 ドイツ語圏 1月10日 ドイツ ドイツ語 フェルディナント・フォン・シーラッハ 『禁忌』 東京創元社 酒寄進一訳 1月24日 ドイツ ドイツ語 フランク・シェッツィング 『緊急速報』【上中下巻】 ハヤカワ文庫NV 北川和代、田中順子、岡本朋子訳 2月13日 ドイツ ドイツ語 ペトラ・ブッシュ 『漆黒の森』 *注3 創元推理文庫 酒寄進一訳 6月12日 ドイツ ドイツ語 ネレ・ノイハウス 『悪女は自殺しない』 *注8 創元推理文庫 酒寄進一訳 6月25日 ドイツ ドイツ語 ハラルト・ギルバース 『ゲルマニア』 *注9 (集英社) 酒寄進一訳 8月19日 ドイツ ドイツ語 メヒティルト・ボルマン 『希望のかたわれ』 河出書房新社 赤坂桃子訳 10月21日 ドイツ ドイツ語 ニーナ・ブラジョーン 『獣の記憶』 創元推理文庫 遠山明子訳 10月30日 ドイツ ドイツ語 ライナー・レフラー 『人形遣い 事件分析官アーベル&クリスト』 創元推理文庫 酒寄進一訳 フランス語圏 1月19日 マルティニーク フランス語 パトリック・シャモワゾー 『素晴らしきソリボ』 河出書房新社 関口涼子、パトリック・オノレ訳 1月末 フランス フランス語 フランシス・ディドロ 『七人目の陪審員』 *注1 論創海外ミステリ 松井百合子訳 1月末 ベルギー フランス語 ジョルジュ・シムノン 【初の完訳】『紺碧海岸のメグレ』 論創海外ミステリ 佐藤絵里訳 3月20日 フランス フランス語 エルヴェ・コメール 『悪意の波紋』 *注4 集英社文庫 山口羊子訳 4月10日 フランス フランス語 ジャン・マルセル=エール *注6 『Zの喜劇』 近代文藝社 中原毅志訳 7月29日 フランス フランス語 セバスチアン・ジャプリゾ 【新訳】『新車のなかの女』 創元推理文庫 平岡敦訳 8月20日 フランス フランス語 ミシェル・ビュッシ 『彼女のいない飛行機』 集英社文庫 平岡敦訳 8月21日 フランス フランス語 モーリス・ルブラン 【新訳】『ルパン対ホームズ』 ハヤカワ・ミステリ文庫 平岡敦訳 10月9日 フランス フランス語 ピエール・ルメートル 『悲しみのイレーヌ』 文春文庫 橘明美訳 イタリア 1月29日 イタリア イタリア語 ウー・ミン 『アルタイ』 東京創元社 さとうななこ訳 6月25日 イタリア イタリア語 ダニーラ・コマストリ=モンタナーリ 『剣闘士に薔薇を』 国書刊行会 天野泰明訳 8月6日 イタリア イタリア語 アントネッラ・ボラレーヴィ 『もしもを叶えるレストラン』(ミステリ?) 小学館文庫 中村浩子訳 スペイン語圏 3月15日 スペイン スペイン語 ハビエル・シエラ 『最後の晩餐の暗号』 イースト・プレス 宮崎真紀訳 5月8日 アルゼンチン スペイン語 グスタホ・マラホビッチ 『ブエノスアイレスに消えた』 ハヤカワ・ミステリ 宮崎真紀訳 5月26日 メキシコ スペイン語 ホルヘ・ボルピ 『クリングゾールをさがして』 河出書房新社 安藤哲行訳 10月20日 スペイン スペイン語 トニ・ヒル 『よき自殺』 集英社文庫 宮崎真紀訳 ロシア 6月25日 ロシア ロシア語 ボリス・アクーニン 【改訳】『堕天使(アザゼル)殺人事件』 *注10 岩波書店 沼野恭子訳 6月25日 ロシア ロシア語 ボリス・アクーニン 『トルコ捨駒スパイ事件』 *注10 岩波書店 奈倉有里訳 中国語圏 4月5日 中国 中国語 普璞(ふはく) 「理解者の死」(短編/無料公開) 電子小説サイトE★エブリスタ 阿井幸作訳 5月4日/8月14日 *注12 中国 中国語 羅修(らしゅう) 「Wの喜劇」(短編) 風狂殺人倶楽部 *注7 稲村文吾訳 8月7日 中国 中国語 程小青(ていしょうせい) 『ホー・ソン探偵集 中国的推理小説』 *注11 Amazon Services International 村上信貴訳 10月23日 中国/香港/台湾 中国語 (アンソロジー) 『現代華文推理系列 第二集』(以下の4短編の合本) KDP 稲村文吾訳 10月23日 台湾 中国語 冷言(れいげん) 短編「風に吹かれた死体」 KDP 稲村文吾訳 10月23日 中国 中国語 鶏丁(ジーディン) 短編「憎悪の鎚」 KDP 稲村文吾訳 10月23日 中国 中国語 江離(こうり) 短編「愚者たちの盛宴」 KDP 稲村文吾訳 10月23日 香港 中国語 陳浩基(ちんこうき) 短編「見えないX」 KDP 稲村文吾訳 予定 東京創元社北欧スウェーデン:クリスティーナ・オルソン(Kristina Ohlsson)『灰かぶり』or『シンデレラたち』(ヘレンハルメ美穂訳)→『シンデレラたちの罪』8月12日 ノルウェー:アンネ・ホルト『1222』(「クリスティへのオマージュ満載、極限状態の密室殺人を車いすの探偵が解く。」)→『ホテル1222』9月30日 ドイツ語圏ドイツ:シャルロッテ・リンク『最後の足跡』 ドイツ:ライナー・レフラー『血塗られた夏』(酒寄進一訳)→『人形遣い』10月 ドイツ:ニーナ・ブラジョーン(Nina Blazon)『狼憑き』(Wolfszeit)→『獣の記憶』10月 フランス語圏フランス:フレッド・ヴァルガス『ポセイドンの爪痕』or『ネプチューンの風』(Sous les vents de Neptune) 田中千春訳 ※以前は『汚れた手』というタイトルで予告されていた(英題は『Wash This Blood Clean From My Hand』)。アダムスベルク警視シリーズ。 フランス:【新訳】セバスチアン・ジャプリゾ『新車の中の女』(平岡敦訳)→『新車のなかの女』7月29日 南欧イタリア:ウンベルト・エーコ『プラハの墓地』(橋本勝雄訳)(「19世紀ヨーロッパを舞台に繰り広げられる歴史大陰謀小説」) スペイン:ハビエル・マリアス『執着』 ?フランス:【新訳】カミ『名探偵オルメス』(高野優訳?) 早川書房スウェーデンダビド・ラーゲルクランツ『ミレニアム4』(2015年夏) フランス【新訳】ガストン・ルルー『黄色い部屋の秘密』(高野優訳) ピエール・ルメートル『Au revoir là-haut』(平岡敦訳) ※純文学作品(2013年ゴンクール賞受賞) 国書刊行会イタリア:ダニーラ・コマストリ=モンタナーリ(Danila Comastri Montanari, 1948- )『死に行く者のあいさつ』(仮) Morituri te salutant (1994) →『剣闘士に薔薇を』6月25日 19世紀後半~20世紀前半の作品を中心とする非英語圏のホームズ・パロディーを集めたアンソロジー 角川書店オーストリア:マルク・エルスべルグ『ゼロ』 集英社スペイン:アントニオ・G・イトゥルベ(Antonio G. Iturbe)『アウシュヴィッツの図書係』(La bibliotecaria de Auschwitz)(小原京子訳) ※ミステリ? ノルウェー:ジョー・ネスボ『ザ・サン』(戸田裕之訳) ※ノンシリーズ作品 小学館スウェーデン:ダン・T・ セールベリ『SINON』(原題) ※2014年9月に邦訳出版されたSFスリラー『モナ 聖なる感染』の続編 論創社2016年7月予定 ピエール・ボワロー『震える石』 ※1934年のデビュー作 2016年秋 【新訳】ジョルジュ・シムノン『十三の被告/十三の謎』(※戦前に『猶太人ジリウク』、『ダンケルクの悲劇』として邦訳があったが、どちらも1編ずつ省略されていた。初訳は『十三の被告』収録の1編?) 未定 【新訳】ジョルジュ・シムノン『サンフォリアン寺院の首吊り人』 未定 【新訳】ガストン・ルルー『Les Étranges Noces de Rouletabille』 ※1922年に『水中の密室』のタイトルで邦訳されている 情報源 東京創元社 「【新年特別企画】2015年 東京創元社 翻訳ミステリラインナップのご案内」(2015年1月1日) 翻訳ミステリー大賞シンジケート「第3回出版社対抗ビブリオバトル~栄冠は誰の手に」(2015年5月12日) 『このミステリーがすごい! 2015年版』の「我が社の隠し玉」 論創社 刊行予定 関連ページ 非英語圏ミステリ2013年の邦訳出版一覧 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 フランスミステリベスト100 (2014年7月~8月アンケート実施) 非英仏語圏ミステリベスト100 (2014年9月アンケート実施) (1)叢書等 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 ハヤカワ・ミステリ文庫非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 (2)地域別 欧州北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 その他中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 (3)賞 フランスのミステリ賞 - 受賞作の邦訳一覧 北欧のミステリ賞 インターナショナル・ダガー賞 受賞作・候補作一覧 (4)その他 『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況 ヨーロッパの推理小説 - ヨーロッパの推理小説に関する日本語文献の一覧 《世界探偵小説全集》のラインナップを本当に「世界」規模で考えてみる 非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると (翻訳ミステリー大賞シンジケート)
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/225.html
非英語圏ミステリの各種リスト。 非英語圏ミステリ2013年の邦訳出版一覧 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 フランスミステリベスト100 (2014年7月~8月アンケート実施) 非英仏語圏ミステリベスト100 (2014年9月アンケート実施) (1)叢書等 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 ハヤカワ・ミステリ文庫非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 (2)地域別 フランスフランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) 文庫で刊行されたフランスミステリの一覧 その他欧州北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 その他中南米ミステリ邦訳一覧 東アジアミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 (3)賞 フランスのミステリ賞 - 受賞作の邦訳一覧 北欧のミステリ賞 インターナショナル・ダガー賞 受賞作・候補作一覧2012年のCWAインターナショナル・ダガー賞の対象となる翻訳ミステリ76作品の国別一覧 (4)文献 ヨーロッパの推理小説 - ヨーロッパの推理小説に関する日本語文献の一覧 (5)その他 ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年) ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年) フランスのミステリ編集者が選んだ必読ミステリ100 ポーランドのミステリ評論家が選んだ最重要ミステリ100 現代欧米探偵小説傑作選集(オリエント書房、1947年) 《世界探偵小説全集》のラインナップを本当に「世界」規模で考えてみる 『ラテンアメリカ・ミステリ作家ガイド』で扱われている54人の作家の一覧 長谷部史親『欧米推理小説翻訳史』『続・欧米推理小説翻訳史』 『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/95.html
毎年恒例の本格ミステリのランキング本、原書房『2011 本格ミステリ・ベスト10』が刊行されました。アジアミステリーのベスト10入りを期待していたのですが、残念ながらそれは叶いませんでした。とはいえ、アンケート回答者のそれぞれの回答内容を見ると、島田荘司推理小説賞を受賞した台湾の『虚擬街頭漂流記』も、講談社〈アジア本格リーグ〉の1冊として刊行された中国の『蝶の夢』も、それなりに多くの人に読まれており、多くの人が上位に挙げているように感じました。 『本格ミステリ・ベスト10』では、国内部門はベスト20までリストアップされていますが、海外部門はベスト10までしかリストアップされていません。アジアミステリーの正確な順位が知りたかったので、11位以下を自分で集計してみました。 結果は以下のようで、これは大健闘といってもいいのではないでしょうか。 対象:2009年11月1日~2010年10月31日(奥付)に発行された本格ミステリ小説。 回答者(作家、評論家、大学の推理小説研究会など)は順位をつけて5作品を選ぶ。1位:10点、2位:9点、3位:8点、4位:7点、5位:6点。 海外ランキングの有効回答者数:51 回答で挙がったタイトルの総数:57 (『ミステリマガジン』4月号含む)(『エラリー・クイーン論』除く) 作家名はWikipediaの記事にリンク。作品名はAmazon.co.jpにリンク。原書は初刊本ではなく、Amazon.co.jpで新刊が手に入り、かつ最も安いものに優先的にリンクしている(ただし、新刊では購入できないものも多い)。また、原書の書籍情報がAmazon.co.jpに登録されていない場合は、Amazon.com、Amazon.frなどを使用している。 順位 point(s) 投票者数 著者名 生年 タイトル Author Title 発表年 地域 1位 173 pts 20人 ピーター・アントニイ (兄、弟) *1 ベヴァリー・クラブ Peter Antony How Doth the Little Crocodile? 1952 UK 2位 168 pts 19人 ルイス・ベイヤード (???? - ) 陸軍士官学校の死 (上)、(下) Louis Bayard The Pale Blue Eye 2006 USA 3位 134 pts 17人 ウィリアム・ブリテン (1930 - ) ストラング先生の謎解き講義 William Brittain (Mr.Strang Gives a Lecture and Other Stories) 1967-1983 USA 4位 128 pts 17人 ルーパート・ペニー (1909 - 1970) 警官の証言 Rupert Penny Policeman's Evidence 1938 UK 5位 85 pts 11人 アントニイ・バークリー (1893 - 1971) パニック・パーティ Anthony Berkeley Panic Party 1934 UK 6位 81 pts 10人 パトリック・クェンティン *2 悪魔パズル Patrick Quentin A Puzzle for Fiends 1946 USA 11人 ポール・アルテ (1956 - ) 殺す手紙 Paul Halter La lettre qui tue 1992 France 8位 79 pts 9人 キャロル・オコンネル (1947 - ) 愛おしい骨 Carol O Connell *5 Bone by Bone 2008 USA 9位 78 pts 9人 ジェフリー・ディーヴァー (1950 - ) ロードサイド・クロス Jeffery Deaver Roadside Crosses 2009 USA 10位 65 pts 8人 F・W・クロフツ (1879 - 1957) フレンチ警部と毒蛇の謎 Freeman Wills Crofts Antidote to Venom 1938 UK 8人 ピーター・トレメイン (1943 - ) 修道女フィデルマの洞察 Peter Tremayne (Hemlock at Vespers and Other Stories from Hemlock at Vespers) 1993-1998 Ireland 12位 64 pts 8人 寵物先生(ミスターペッツ) (1980 - ) 虛擬街頭漂流記 寵物先生 虛擬街頭漂流記 (Xuni Jietou Piaoliuji) 2009 台湾 13位 63 pts 8人 エドワード・D・ホック (1930 - 2008) サム・ホーソーンの事件簿VI Edward D. Hoch (Diagnosis Impossible 6) 2002-2008 USA 14位 57 pts 7人 水天一色 (すいてんいっしき) (1981 - ) 蝶の夢 乱神館記 水天一色 乱神馆记系列之蝶梦 (Luanshenganji xilie zhi Diemeng) 2006 中国 15位 55 pts 7人 ヘレン・マクロイ (1904 - 1994) 殺す者と殺される者 Helen McCloy The Slayer and the Slain 1957 USA 16位 50 pts 6人 エラリー・クイーン *3 ミステリの女王の冒険 Ellery Queen (The Adventure of the Grand Old Lady and Other Television Adventures of Ellery Queen) 1975-1976 USA 17位 48 pts 6人 ジェイムズ・ヤッフェ (1927 - ) 不可能犯罪課の事件簿 James Yaffe (The Case Book of Department of Impossible Crimes) 1943-1956 USA 18位 41 pts 5人 カミ (1884 - 1958) 機械探偵クリク・ロボット Cami (Krik-Robot, Détective-à-moteur L'énigme des 5 Pavillons) 1945-1947 France 19位 31 pts 4人 レジナルド・ヒル (1936 - ) 死は万病を癒す薬 Reginald Hill A Cure for All Diseases 2008 UK 20位 26 pts 3人 ジョン・ハート (1965 - ) ラスト・チャイルド *4 John Hart The Last Child 2009 USA *1 兄弟の合作。兄:アンソニー・シェーファー (Anthony Shaffer, 1926 - 2001)、弟:ピーター・シェーファー (Peter Shaffer, 1926 - ) *2 4名の作家が関わるペンネーム。『悪魔パズル』はヒュー・キャリンガム・ウィーラー (Hugh Callingham Wheeler, 1912 – 1987)とリチャード・W・ウェッブ (Richard Wilson Webb, 1901 – 1966)の合作。 *3 従兄弟同士の合作。フレデリック・ダネイ (Frederic Dannay, 1905 - 1982)、マンフレッド・ベニントン・リー (Manfred Bennington Lee, 1905 - 1971) *4 文庫版(上)、(下)も同時刊行。 *5 「 」がアドレスに含まれているため、表の中でうまくリンクが貼れなかった。 http //en.wikipedia.org/wiki/Carol_O Connell 関連ページ 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/201.html
2012年9月1日 最終更新:2018年11月6日(ページ末尾の「更新履歴」参照のこと) 1959年4月に創刊された東京創元社、《創元推理文庫》の非英語圏作品一覧。 (「非英語圏作品」だと日本の作品も含むことになるが、日本の作品はリスト化していない。創元推理文庫で刊行された海外ミステリの非英語圏作品の一覧である。) 関連ページ:ポケミス非英語圏作品一覧(早川書房、1953年9月創刊) Index 創元推理文庫/海外ミステリ/非英語圏・非フランス語圏作品一覧 創元推理文庫/海外ミステリ/フランス語圏作品一覧 創元推理文庫/海外ミステリアンソロジー/非英語圏作品一覧 おまけ1:創元推理文庫/ホラー&ファンタジイ/非英語圏作品一覧 おまけ2:創元SF文庫/非英語圏作品一覧 参考文献 更新履歴 創元推理文庫/海外ミステリ/非英語圏・非フランス語圏作品一覧 著者 タイトル 訳者 出版年月 # 原題(年) 備考 ラテンアメリカ(特記なき場合、原語はスペイン語) パコ・イグナシオ・タイボ二世(メキシコ) 影のドミノ・ゲーム 田中一江 1995年1月 Mタ2-1 Sombra De La Sombra (1986) 英語からの重訳 スウェーデン(スウェーデン語) ヤーン・エクストレム 誕生パーティの17人 後藤安彦 1987年1月 Mエ1-1 Ättestupan (1975) ヘニング・マンケル 殺人者の顔 柳沢由実子 2001年1月 Mマ13-1 Mördare utan ansikte (1991) リガの犬たち 柳沢由実子 2003年4月 Mマ13-2 Hundarna i Riga (1992) 白い雌ライオン 柳沢由実子 2004年9月 Mマ13-3 Den vita lejoninnan (1993) 笑う男 柳沢由実子 2005年9月 Mマ13-4 Mannen som log (1994) 目くらましの道【上下巻】 柳沢由実子 2007年2月 Mマ13-5,6 Villospår (1995) 英国推理作家協会ゴールド・ダガー賞、フランス・ミステリ批評家賞 タンゴステップ【上下巻】 柳沢由実子 2008年5月 Mマ13-7,8 Danslärarens återkomst (2000) 五番目の女【上下巻】 柳沢由実子 2010年8月 Mマ13-9,10 Den femte kvinnan (1996) 背後の足音【上下巻】 柳沢由実子 2011年7月 Mマ13-11,12 Steget efter (1997) ファイアーウォール【上下巻】 柳沢由実子 2012年9月 Mマ13-13,14 Brandvägg (1998) 霜の降りる前に【上下巻】 柳沢由実子 2016年1月 Mマ13-15,16 北京から来た男【上下巻】 柳沢由実子 2016年8月 Mマ13-17,18 2014年刊行作品の文庫化 ピラミッド 柳沢由実子 2018年4月 Mマ13-19 モンス・カッレントフト 冬の生贄【上下巻】 久山葉子 2013年3月 Mカ11-1,2 Midvinterblod (2007) 天使の死んだ夏【上下巻】 久山葉子 2013年10月 Mカ11-3,4 Sommardöden (2008) 秋の城に死す【上下巻】 久山葉子 2015年12月 Mカ11-5,6 カーリン・イェルハルドセン お菓子の家 木村由利子 2013年6月 Mイ4-1 Pepparkakshuset (2008) パパ、ママ、あたし 木村由利子 2014年3月 Mイ4-2 Mamma, pappa, barn (2009) 子守唄 木村由利子 2015年6月 Mイ4-3 リザ・マークルンド ノーベルの遺志【上下巻】 久山葉子 2013年11月 Mマ26-1,2 Nobels testamente (2006) M・ヨート、H・ローセンフェルト 犯罪心理捜査官セバスチャン【上下巻】 ヘレンハルメ美穂 2014年6月 Mヨ1-1,2 Det fördolda (2010) 模倣犯 犯罪心理捜査官セバスチャン【上下巻】 ヘレンハルメ美穂 2015年1月 Mヨ1-3,4 白骨 犯罪心理捜査官セバスチャン【上下巻】 ヘレンハルメ美穂 2017年6月 Mヨ1-5,6 少女 犯罪心理捜査官セバスチャン【上下巻】 ヘレンハルメ美穂 2017年11月 Mヨ1-7,8 アンナ・ヤンソン 消えた少年 久山葉子 2014年10月 Mヤ2-1 死を歌う孤島 久山葉子 2015年3 Mヤ2-2 クリスティーナ・オルソン シンデレラたちの罪 ヘレンハルメ美穂 2015年8月 Mオ5-1 カタリーナ・インゲルマン=スンドベリ 犯罪は老人のたしなみ 木村由利子 2016年9月 Mイ8-1 老人犯罪団の逆襲 木村由利子 2017年10月 Mイ8-2 シッラ ロルフ・ボリリンド 満潮【上下巻】 久山葉子 2016年10月 Mホ12-1,2 トーヴェ・アルステルダール 海岸の女たち 久山葉子 2017年4月 Mア18-1 レイフ・GW・ペーション 許されざる者 久山葉子 2018年2月 Mヘ19-1 デンマーク(デンマーク語) エルスベツ・イーホルム 赤ん坊は川を流れる 木村由利子 2015年2月 Mイ6-1 過去を殺した女 木村由利子 2016年6月 Mイ6-2 ノルウェー(ノルウェー語) アンネ・ホルト 凍える街 枇谷玲子 2014年12月 Mホ10-1 ホテル1222 枇谷玲子 2015年9月 Mホ10-2 カーリン・フォッスム 晴れた日の森に死す 成川裕子 2016年9月 Mフ36-1 アイスランド(アイスランド語) ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン フラテイの暗号 北川和代 2013年11月 Mイ5-1 Flateyjargáta (2002) アーナルデュル・インドリダソン 湿地 柳沢由実子 2015年5月 Mイ7-1 2012年刊行作品の文庫化 緑衣の女 柳沢由実子 2016年7月 Mイ7-2 2013年刊行作品の文庫化 声 柳沢由実子 2018年1月 Mイ7-3 2015年刊行作品の文庫化 フィンランド(フィンランド語) レーナ・レヘトライネン 雪の女 古市真由美 2013年1月 Mレ7-1 Luminainen (1996) 推理の糸口賞(1997年) 氷の娘 古市真由美 2013年9月 Mレ7-2 Kuolemanspiraali (1997) 要塞島の死 古市真由美 2014年5月 Mレ7-3 Tuulen puolella (1998) ドイツ語圏 アンネ・シャプレ(ドイツ) カルーソーという悲劇 平井吉夫 2007年5月 Mシ11-1 Caruso Singt Nicht Mehr (1997) ドイツ・ミステリ大賞受賞シリーズの第1作 ネレ・ノイハウス(ドイツ) 深い疵(きず) 酒寄進一 2012年6月 Mノ4-1 Tiefe Wunden (2009) シリーズ第3作 白雪姫には死んでもらう 酒寄進一 2013年5月 Mノ4-2 Schneewittchen muss sterben (2010) シリーズ第4作 悪女は自殺しない 酒寄進一 2015年6月 Mノ4-3 シリーズ第1作 死体は笑みを招く 酒寄進一 2016年10月 Mノ4-4 シリーズ第2作 穢れた風 酒寄進一 2017年10月 Mノ4-5 シリーズ第5作 悪しき狼 酒寄進一 2018年10月 Mノ4-6 シリーズ第6作 フォルカー・クッチャー(ドイツ) 濡れた魚【上下巻】 酒寄進一 2012年8月 Mク18-1,2 Der nasse Fisch (2007) 死者の声なき声【上下巻】 酒寄進一 2013年8月 Mク18-3,4 Der stumme Tod (2009) ゴールドスティン【上下巻】 酒寄進一 2014年7月 Mク18-5,6 Goldstein (2010) アンドレアス・グルーバー(オーストリア) 夏を殺す少女 酒寄進一 2013年2月 Mク19-1 Rachesommer (2010) 黒のクイーン 酒寄進一 2014年1月 Mク19-2 Schwarze Dame (2007) 月の夜は暗く 酒寄進一 2016年2月 Mク19-3 刺青の殺人者 酒寄進一 2017年4月 Mク19-4 バルドゥイン・グロラー(オーストリア) 探偵ダゴベルトの功績と冒険 垂野創一郎 2013年4月 Mク20-1 Detektiv Dagoberts Taten und Abenteuer シャーロック・ホームズの異郷のライヴァルたち(1) ドイツ語圏編 ヴォルフラム・フライシュハウアー(ドイツ) 消滅した国の刑事 北川和代 2013年6月 Mフ28-1 Torso (2011) シャルロッテ・リンク(ドイツ) 沈黙の果て【上下巻】 浅井晶子 2014年9月 Mリ7-1,2 Am Ende des Schweigens (2003) 失踪者【上下巻】 浅井晶子 2017年1月 Mリ7-3,4 ペトラ・ブッシュ(ドイツ) 漆黒の森 酒寄進一 2015年2月 Mフ31-1 フェルディナント・フォン・シーラッハ(ドイツ) 犯罪 酒寄進一 2015年4月 Mシ15-1 2011年刊行作品の文庫化 罪悪 酒寄進一 2016年2月 Mシ15-2 2012年刊行作品の文庫化 コリーニ事件 酒寄進一 2017年12月 Mシ15-3 2013年刊行作品の文庫化 禁忌 酒寄進一 2018年12月? 刊行予定。2015年刊行作品の文庫化 フレドゥン・キアンプール(ドイツ) 幽霊ピアニスト事件 酒寄進一 2015年9月 Mキ12-1 『この世の涯てまで、よろしく』改題文庫化 ニーナ・ブラジョーン(ドイツ) 獣の記憶 遠山明子 2015年10月 Mフ34-1 ライナー・レフラー(ドイツ) 人形遣い 事件分析官アーベル&クリスト 酒寄進一 2015年10月 Mレ8-1 ウルズラ・ポツナンスキ(オーストリア) 古城ゲーム 酒寄進一 2016年4月 Mホ11-1 ザーシャ・アランゴ(ドイツ) 悪徳小説家 浅井晶子 2016年7月 Mア16-1 シュテファン・スルペツキ(オーストリア) 探偵レミングの災難 北川和代 2017年7月 Mス15-1 天国通り殺人事件 北川和代 2018年7月 Mス15-2 アンドレアス・フェーア(ドイツ) 弁護士アイゼンベルク 酒寄進一 2018年4月 Mフ37-1 オランダ(オランダ語) ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク アムステルダムの異邦人 池央耿 1981年1月 Mウ17-1 Het lijk in de Haarlemmer Houttuinen (1975) 英題:Outsider in Amsterdam オカルト趣味の娼婦 池央耿 1981年5月 Mウ17-2 Buitelkruid (1976) 英題:Tumbleweed 大道商人の死 池央耿 1987年5月 Mウ17-3 De dood van een marktkoopman (1977) 英題:Death of a Hawker スペイン(特記なき場合、原語はスペイン語) マヌエル・バスケス・モンタルバン 楽園を求めた男 田部武光 1985年8月 Mモ4-1 Los Mares Del Sur (1979) フランス語からの重訳/フランス推理小説大賞、スウェーデン推理作家アカデミー賞 死の谷を歩む男 田部武光 1986年4月 Mモ4-2 La Soledad Del Manager (1977) フランス語からの重訳 R・リーバス、S・ホフマン 偽りの書簡 宮﨑真紀 2016年5月 Mリ8-1 マルク・パストル(カタルーニャ語作家) 悪女 白川貴子 2018年3月 Mハ24-1 ギリシャ(ギリシャ語) アンドニス・サマラキス きず 小池滋 1987年10月 Mサ2-1 Το λάθος (1965) フランス推理小説大賞(1970年) ブルガリア(ブルガリア語) アンドレイ・グリャシキ 007は三度死ぬ 深見弾 1985年8月 Mフ10-7 Срещу 07 (1966) 『ミステリマガジン』1967年2月号に『ザホフ対07』のタイトルで訳載(袋一平訳) ※注記したもの以外にも重訳の作品はあるかもしれない。 創元推理文庫/海外ミステリ/フランス語圏作品一覧 数え方にもよるが、以下では32人、164冊をリストアップしている(2017年11月発売のグザヴィエ=マリ・ボノ『狩人の手』までをカウント)。 冊数の多い作家ジェラール・ド・ヴィリエ … 50冊 カトリーヌ・アルレー … 25冊 モーリス・ルブラン … 23冊 ジョルジュ・シムノン … 12冊 ボワロ&ナルスジャック … 6冊 ミッシェル・ルブラン、セバスチアン・ジャプリゾ、フレッド・ヴァルガス … 各5冊 1990年代には創元推理文庫でフランス語圏の作品は1冊も出版されていない。(ちなみに、早川書房のポケミスでも1990年代にはフランス語圏のミステリは1冊しか出版されなかった) 創元推理文庫に収録されたのが早い作家から順に並べた。 2000年代以降に新訳が出たものについては【新訳】と示した。 著者 タイトル 訳者 出版年月 # 備考 ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎 宮崎嶺雄 1965年6月 Mル2-1 旧訳は水谷準訳(1959年5月) 黒衣婦人の香り 石川湧 1976年3月 Mル2-2 2008年の復刊フェアで新カバー化 ジョルジュ・シムノン(ベルギー) 男の首/黄色い犬 宮崎嶺雄 1969年5月 Mシ1-1 『男の首』(1959年9月)、『黄色い犬』(1959年9月)合本 13の秘密/第1号水門 大久保輝臣 1963年8月 Mシ1-2 『13の秘密』改題 ゲー・ムーランの踊子 他 安堂信也 1973年9月 Mシ1-3 『ゲー・ムーランの踊子』(1959年11月)、『三文酒場』(1960年8月)合本 猫―ねこ― 三輪秀彦 1985年1月 Mシ1-4 サン・フィアクル殺人事件 三輪秀彦 1960年4月 Mシ1-5 『サン・フィアクルの殺人』改題 怪盗レトン 木村庄三郎 1960年5月 Mシ1-6 オランダの犯罪 宗左近 1960年9月 Mシ1-7 アルザスの宿 原千代海 1960年11月 Mシ1-8 メグレ警部と国境の町 三輪秀彦 1961年1月 Mシ1-9 港の酒場で 木村庄三郎 1961年4月 Mシ1-10 死んだギャレ氏 宗左近 1961年7月 Mシ1-11 影絵のように 望月芳郎 1961年8月 Mシ1-12 ボワロ&ナルスジャック 女魔術師 江口清 1961年7月 Mホ2-1 技師は数字を愛しすぎた 大久保和郎 1960年3月 Mホ2-2 2012年4月【新版】 思い乱れて 大久保和郎 1959年10月 Mホ2-3 呪い 大久保和郎 1963年4月 Mホ2-4 仮面の男 井上勇 1964年7月 Mホ2-5 犠牲者たち 石川湧 1967年8月 Mホ2-6 カトリーヌ・アルレー わらの女 安堂信也 1964年8月 Mア5-1 大いなる幻影/死者の入江 安堂信也 1973年9月 Mア5-2 『大いなる幻影』(1968年11月)、『死者の入江』(1962年4月)合本 黄金の檻/泣くなメルフィー 安堂信也 1974年8月 Mア5-3 『黄金の檻』(1963年4月)、『泣くなメルフィー』(1964年12月)合本 死の匂い 望月芳郎 1963年10月 Mア5-4 目には目を 安堂信也 1961年1月 Mア5-5 二千万ドルと鰯一匹 安堂信也 1974年12月 Mア5-6 剣に生き、剣に斃れ 荒川浩充 1975年4月 Mア5-7 犯罪は王侯の楽しみ 安堂信也 1975年6月 Mア5-8 2014年の復刊フェアで新カバー・新解説 決闘は血を見てやめる 鈴木豊 1975年8月 Mア5-9 黒頭巾の孤島 安堂信也 1976年2月 Mア5-10 死ぬほどの馬鹿 安堂信也 1976年10月 Mア5-11 さよならメラニー 荒川浩充 1978年1月 Mア5-12 『またもや大いなる幻影』改題 砂の鎧 安堂信也 1979年6月 Mア5-13 地獄でなぜ悪い 安堂信也 1979年10月 Mア5-14 三つの顔 窪田般彌 1980年3月 Mア5-15 共犯同盟 小野萬吉 1980年10月 Mア5-16 死体銀行 加藤尚宏 1981年6月 Mア5-17 理想的な容疑者 荒川浩充 1981年12月 Mア5-18 2010年の復刊フェアで新カバー化/フランス冒険小説大賞(1981年) 白墨の男 安堂信也 1982年12月 Mア5-19 罠に落ちた女 安堂信也 1983年9月 Mア5-20 呪われた女 安堂信也 1984年4月 Mア5-21 21のアルレー 安堂信也 1985年6月 Mア5-22 死神に愛された男 安堂信也 1986年2月 Mア5-23 アラーム! 安堂信也 1987年3月 Mア5-24 疑惑の果て 安堂信也 1988年2月 Mア5-25 ミッシェル・ルブラン 殺人四重奏 鈴木豊 1961年4月 Mル3-1 旧訳は鈴木豊・河村正夫訳(1961年4月)/フランス推理小説大賞(1956年) 贋作/モンタージュ写真 望月芳郎・三輪秀彦 1972年12月 Mル3-2 *注1 未亡人 鈴木豊 1972年7月 Mル3-3 まちがえた番号/ストリッパーの死 鈴木豊 1973年4月 Mル3-4 ミッドウェイ水爆実験/自殺志願者 鈴木豊 1973年11月 Mル3-5 ノエル・カレフ 死刑台のエレベーター 宮崎嶺雄 1970年5月 Mカ2-1 2010年7月【新版】 その子を殺すな 宮崎嶺雄 1961年8月 Mカ2-2 パリ警視庁賞(1956年) ミラクル・キッド 宮崎嶺雄 1963年8月 Mカ2-3 『名も知れぬ牛の血』改題 フレッド・カサック 殺人交叉点 平岡敦【新訳】 2000年9月 Mカ8-1 フランス・ミステリ批評家賞 *注2 セバスチアン・ジャプリゾ シンデレラの罠 平岡敦【新訳】 2012年2月 Mシ2-1 旧訳は1964年11月、望月芳郎訳/フランス推理小説大賞(1963年) 寝台車の殺人者 望月芳郎 1966年10月 Mシ2-2 新車のなかの女 平岡敦【新訳】 2015年7月 Mシ2-3 旧訳は1968年10月、望月芳郎訳『新車の中の女』/英国推理作家協会 最優秀外国作品賞 殺意の夏 望月芳郎 1980年9月 Mシ2-4 スウェーデン推理作家アカデミー賞 長い日曜日 田部武光 2005年3月 Mシ2-5 モーリス・ルブラン 怪盗紳士リュパン 石川湧 1965年6月 Mル1-1 リュパン対ホームズ 石川湧 1965年7月 Mル1-2 水晶の栓 石川湧 1965年9月 Mル1-3 奇巌城 石川湧 1965年10月 Mル1-4 リュパンの告白 井上勇 1966年3月 Mル1-5 金三角 石川湧 1972年12月 Mル1-6 虎の牙 井上勇 1973年3月 Mル1-7 カリオストロ伯爵夫人 井上勇 1973年1月 Mル1-8 謎の家 井上勇 1973年7月 Mル1-9 緑の目の令嬢 石川湧 1973年1月 Mル1-10 二つの微笑を持つ女 井上勇 1972年11月 Mル1-11 『ふたつの微笑を持つ女』改題 バール・イ・ヴァ荘 石川湧 1973年8月 Mル1-12 特捜班ヴィクトール 井上勇 1973年10月 Mル1-13 赤い数珠 井上勇 1974年1月 Mル1-14 カリオストロの復讐 井上勇 1973年6月 Mル1-15 オルヌカン城の謎 井上勇 1973年5月 Mル1-16 ジェリコ公爵 井上勇 1974年4月 Mル1-17 リュパンの冒険 南洋一郎 1965年10月 Mル1-18 綱渡りのドロテ 三好郁朗 1986年12月 Mル1-19 ノー・マンズ・ランド 大友徳明 1987年7月 Mル1-20 三つの目 田部武光 1987年10月 Mル1-21 バルタザールの風変わりな毎日 三輪秀彦 1987年11月 Mル1-22 リュパン、最後の恋 高野優監訳池畑奈央子訳 2013年7月 Mル1-23 クロード・アヴリーヌ U路線の定期乗客 三輪秀彦 1977年6月 Mア13-1 ブロの二重の死 三輪秀彦 1983年6月 Mア13-2 ジェラール・ド・ヴィリエ SAS/セーシェル沖暗礁地帯 伊東守男 1978年12月 Mウ18-1 SAS/イスタンブール 潜水艦消失 伊東守男 1979年2月 Mウ18-2 SAS/イラン CIA対マルコ 大友徳明 1979年3月 Mウ18-3 SAS/ソマリア 人質奪回作戦 鈴木豊 1979年3月 Mウ18-4 SAS/ニューヨーク 大追跡 鈴木豊 1979年4月 Mウ18-5 SAS/日本連合赤軍の挑戦 鈴木豊 1979年6月 Mウ18-6 SAS/ヨルダン国王の危機 飯島宏 1979年8月 Mウ18-7 SAS/ブルンジ スパイ衛星墜落 小野萬吉 1979年9月 Mウ18-8 SAS/怒りのベルファスト 小野萬吉 1979年11月 Mウ18-9 SAS/鄧小平の密命 三輪秀彦 1979年11月 Mウ18-10 SAS/リオ マンガン鉱争奪戦 鈴木豊 1979年12月 Mウ18-11 SAS/シンガポール 華僑の秘密 飯島宏 1980年2月 Mウ18-12 SAS/ロンドン スパイ連合作戦 大友徳明 1980年2月 Mウ18-13 SAS/クワイ河の黄金 小野萬吉 1980年3月 Mウ18-14 SAS/ケネディ秘密文書 加藤尚宏 1980年4月 Mウ18-15 SAS/エチオピア皇帝の宝 鈴木豊 1980年5月 Mウ18-16 SAS/ローデシアの陰謀 飯島宏 1980年7月 Mウ18-17 SAS/ワルシャワ 同志を売る男 小野萬吉 1980年7月 Mウ18-18 SAS/カリブ海 ハリケーン作戦 田部武光 1980年8月 Mウ18-19 SAS/モンテビデオの天使 小野萬吉 1980年10月 Mウ18-20 SAS/インディアン狩り 小野萬吉 1980年10月 Mウ18-21 SAS/伯爵夫人の舞踏会 飯島宏 1980年12月 Mウ18-22 SAS/カンボジア式ルーレット 荒川浩充 1980年12月 Mウ18-23 SAS/バグダッドの黒豹 飯島宏 1981年2月 Mウ18-24 SAS/北極圏の逃亡者 小野萬吉 1981年3月 Mウ18-25 SAS/アンゴラ 独立前夜 小野萬吉 1981年4月 Mウ18-26 SAS/サイゴン サンライズ作戦 飯島宏 1981年4月 Mウ18-27 SAS/寄港地パゴ・パゴ 田部武光 1981年6月 Mウ18-28 SAS/香港 三人の未亡人 三輪秀彦 1981年7月 Mウ18-29 SAS/アメリカ 石油封鎖ショック 飯島宏 1981年7月 Mウ18-30 SAS/リスボン KGB秘密計画 秋本紀夫 1981年9月 Mウ18-31 SAS/バリ島の狂気 田部武光 1981年10月 Mウ18-32 SAS/ゲバラ万歳! 飯島宏 1981年10月 Mウ18-33 SAS/ザイール レッド・アイ・ミサイル 三輪秀彦 1981年11月 Mウ18-34 SAS/ラオス 黄金の三角地帯 田部武光 1981年12月 Mウ18-35 SAS/ハイチ 黒犬に化けた男 三輪秀彦 1982年1月 Mウ18-36 SAS/ニカラグアの十字軍 秋本紀夫 1982年2月 Mウ18-37 SAS/ボリビアのナチ狩り 三輪秀彦 1982年3月 Mウ18-38 SAS/ベイルートの連続殺人 田部武光 1982年4月 Mウ18-39 SAS/セイロン 舎利塔の秘宝 飯島宏 1982年5月 Mウ18-40 SAS/チェックポイント・チャーリー 佐藤到 1982年6月 Mウ18-41 SAS/ハワイ CIA危機一髪 飯島宏 1982年7月 Mウ18-42 SAS/ザンジバルのために死す 三輪秀彦 1982年9月 Mウ18-43 SAS/コロンビアの決闘 飯島宏 1982年10月 Mウ18-44 SAS/イスラエル 嘆きの壁の女 田部武光 1982年11月 Mウ18-45 SAS/サンチアゴ 冷たい手の男 荒川浩充 1982年12月 Mウ18-46 SAS/ハンガリー 我が祖国 飯島宏 1982年12月 Mウ18-47 SAS/アブダビ 王宮の陰謀 三輪秀彦 1983年2月 Mウ18-48 SAS/マルタを見て死ね 三輪秀彦 1983年3月 Mウ18-49 SAS/エル・サルバドル 殺人指令 田部武光 1983年4月 Mウ18-50 ピエール・マニャン アトレイデスの血 三輪秀彦 1981年4月 Mマ19-1 パリ警視庁賞(1978年) スタニスラス=アンドレ・ステーマン(ベルギー) 殺人者は21番地に住む 三輪秀彦 1983年12月 Mス4-1 六死人 三輪秀彦 1984年8月 Mス4-2 フランス冒険小説大賞(1931年) ギ・デ・カール 破戒法廷 三輪秀彦 1984年4月 Mテ3-1 ドミニク・フェルナンデス シニョール・ジョヴァンニ 田部武光 1984年7月 Mフ18-1 ブリス・ペルマン 穢れなき殺人者 荒川浩充 1984年9月 Mヘ5-1 顔のない告発者 荒川浩充 1985年5月 Mヘ5-2 モーリス・ドニュジエール 暗号名はフクロウ 小野萬吉 1985年4月 Mト8-1 パスカル・レネ 三回殺して、さようなら 田中淳一 1988年6月 Mレ6-1 ジャン=ジャック・フィシュテル 私家版 榊原晃三 2000年12月 Mフ14-1 フランス推理小説大賞(1994年) ジャン=クリストフ・グランジェ クリムゾン・リバー 平岡敦 2001年1月 Mク11-1 2018年11月【新版】 コウノトリの道 平岡敦 2003年7月 Mク11-2 狼の帝国 高岡真 2005年12月 Mク11-3 フレッド・ヴァルガス 死者を起こせ 藤田真利子 2002年6月 Mウ12-1 フランス・ミステリ批評家賞、英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞 青チョークの男 田中千春 2006年3月 Mウ12-2 英国推理作家協会インターナショナル・ダガー賞 論理は右手に 藤田真利子 2008年4月 Mウ12-3 裏返しの男 田中千春 2012年1月 Mウ12-4 フランス・ミステリ批評家賞 彼の個人的な運命 藤田真利子 2012年8月 Mウ12-5 モーリス・ルヴェル 夜鳥(よどり) 田中早苗 2003年2月 Mル4-1 ジャン=ピエール・ノーグレット ハイド氏の奇妙な犯罪 三好郁朗 2003年10月 Mノ2-1 カトリーヌ・キュッセ ジェーンに起きたこと 長谷川沙織 2004年7月 Mキ4-1 アンドレア・H・ジャップ 殺人者の放物線 藤田真利子 2006年8月 Mシ10-1 ジャン=クロード・イゾ 失われた夜の夜 高橋啓 2007年2月 Mイ3-1 トロフェ813受賞 ジャック・ルーボー 麗しのオルタンス 高橋啓 2009年1月 Mル5-1 誘拐されたオルタンス 高橋啓 2017年2月 Mル5-2 マルセル・F・ラントーム 騙し絵 平岡敦 2009年10月 Mラ6-1 ピエール・シニアック ウサギ料理は殺しの味 藤田宜永 2009年12月 Mシ12-1 カミ ルーフォック・オルメスの冒険 高野優 2016年5月 Mカ14-1 『ミステリーズ!』vol.77で特集 ジョエル・ディケール(スイス) ハリー・クバート事件【上下巻】 橘明美 2016年11月 Mテ15-1,2 2014年刊行作品の文庫化 グザヴィエ=マリ・ボノ 狩人の手 平岡敦 2017年11月 Mホ14-1 注1:ミッシェル・ルブラン『贋作/モンタージュ写真』(1972年12月) - 『不許複製』(1962年2月)と『モンタージュ写真』(1963年3月)の合本。『不許複製』は合本時に『贋作』に改題。 注2:フレッド・カサック『殺人交叉点』(2000年9月) - 1962年7月に創元推理文庫で『連鎖反応』(諏訪正訳)が単独で出版され、1979年には「殺人交差点」(荒川浩充訳)と「連鎖反応」(荒川浩充の新訳)を収録した『殺人交差点』が出版された。そして2000年9月には、収録2作を平岡敦が新訳した『殺人交叉点』が出版された。 創元推理文庫/海外ミステリアンソロジー/非英語圏作品一覧 江戸川乱歩編『世界短編傑作集』【全5巻】(1960年7月 - 1961年5月)第1巻 - アントン・チェホフ「安全マッチ」 - ロシア 第2巻 - モーリス・ルブラン「赤い絹の肩かけ」 - フランス 第2巻 - バルドゥイン・グロルラー「奇妙な跡」 - オーストリア(ドイツ語) エラリー・クイーン編『ミニ・ミステリ傑作選』(1975年10月)W・ハイデンフェルト「月の光」 - 南アフリカ(1911年、ベルリン生まれ。執筆は英語だと思われる) フェレンツ・モルナール(名-姓)「最善の策」 - ハンガリー ミゲル・デ・セルバンテス「サンチョ・パンサの名探偵ぶり」 - スペイン アントン・チェーホフ「子守歌」 - ロシア アレクサンドル・デュマ「ナイフの男」 - フランス ギイ・ド・モーパッサン「復讐」 - フランス ギイ・ド・モーパッサン「正義の費用」 - フランス ヴォルテール「犬と馬」 - フランス オットー・ペンズラー編『魔術ミステリ傑作選』(1979年8月)マニュエル・ペイロウ「ジュリエットと奇術師」 - アルゼンチン(スペイン語) エドワード・D・ホウク(エドワード・D・ホック)編『最後のチャンス――年刊ミステリ傑作選 78』(1982年5月)ポール・セルー「犯人(ホシ)はシロ」 - フランス ピーター・ゴドフリ「殺人の治し方」 - 南アフリカ(執筆は英語だと思われる) ピーター・ヘイニング編『ディナーで殺人を』【上下巻】(1998年1月)上巻 - ガストン・ルルー「胸像たちの晩餐」 - フランス 上巻 - アルフォンス・ドーデー「三つの読唱ミサ」 - フランス 上巻 - アレクサンドル・プーシキン「葬儀屋」 - ロシア 下巻 - ジョルジュ・シムノン「競売の前夜」 - ベルギー(フランス語) おまけ1:創元推理文庫/ホラー&ファンタジイ/非英語圏作品一覧 1969年2月に創元推理文庫の「怪奇と冒険」部門としてスタート。1989年から「ホラー&ファンタジイ」部門という名称に。1991年まで使用されていた分類マークでは「帆船マーク」。 日本の作品は省略。 著者 タイトル 訳者 出版年月 # 分類 備考 フランス語 アレクサンドル・デュマ(フランス) 黒いチューリップ 宗左近 1971年3月 Fテ1-1 歴史ロマン 王妃の首飾り【上下巻】 大久保和郎 1972年4・5月 Fテ1-2,3 歴史ロマン マルセル・エイメ(フランス) 第二の顔 生田耕作 1972年3月 Fエ3-1 幻想小説 ジョリス=カルル・ユイスマンス(フランス) 彼方 田辺貞之助 1975年3月 Fユ1-1 幻想文学 ガストン・ルルー(フランス) ガストン・ルルーの恐怖夜話 飯島宏 1983年10月 Fル1-1 ホラー オペラ座の怪人 三輪秀彦 1987年1月 Fル1-2 ホラー ジャン・レー(ベルギー) 新カンタベリー物語 篠田知和基 1986年4月 Fレ2-1 幻想小説 ロラン・トポル(フランス) カフェ・パニック 小林茂 1988年1月 Fト3-1 奇妙な味 トーマス・オーウェン(ベルギー) 黒い玉――十四の不気味な物語 加藤尚宏 2006年6月 Fオ2-1 ホラー 青い蛇――十六の不気味な物語 加藤尚宏 2007年5月 Fオ2-2 ホラー ドイツ語 H・H・エーヴェルス(ドイツ) プラークの大学生 前川道介 1985年9月 Fエ2-1 幻想小説 エーリヒ・ケストナー(ドイツ) 消え失せた密画 小松太郎 1970年2月 Fケ1-1 ユーモア 雪の中の三人男 小松太郎 1971年11月 Fケ1-2 ユーモア 一杯の珈琲から 小松太郎 1975年9月 Fケ1-3 ユーモア ケルスティン・ギア(ドイツ) 紅玉(ルビー)は終わりにして始まり 遠山明子 2015年11月 Fキ4-1 ファンタジイ カイ・マイヤー(ドイツ) 魔人の地 嵐の王1 酒寄進一・遠山明子 2015年12月 Fマ11-1 ファンタジイ 第三の願い 嵐の王2 酒寄進一・遠山明子 2016年4月 Fマ11-2 ファンタジイ 伝説の都 嵐の王3 酒寄進一・遠山明子 2016年7月 Fマ11-3 ファンタジイ ロシア語 イワン・エフレーモフ(ソ連) アレクサンドロスの王冠【上下巻】 飯田規和 1979年6・9月 Fエ4-1,2 ファンタジイ チェコ語 ヤン・ヴァイス(チェコ) 迷宮1000 深見弾 1987年8月 Fウ3-1 幻想小説 2016年の復刊フェアで新カバー化 ※分類は『東京創元社 文庫解説総目録』より 『怪奇小説傑作集 4 フランス編』(1969年6月、【新版】2006年7月)(東京創元社公式サイト 内容紹介) 『怪奇小説傑作集 5 ドイツ・ロシア編』(1969年5月、【新版】2006年8月)(東京創元社公式サイト 内容紹介) S・P・ソムトウ(タイ)『ヴァンパイア・ジャンクション』(2001年9月、金子浩訳)(Vampire Junction (1984)) - タイの作家が英語で執筆した作品。著者は別名、ソムトウ・スチャリトクル。 アンソロジー平井呈一編『恐怖の愉しみ』上巻(1985年5月) - エルクマン=シャトリアン「見えない眼」 - フランス アル・サラントニオ編『999 聖金曜日』(2000年2月) - ピーター・シュナイダー「紛う方なき愚行」 - ドイツ おまけ2:創元SF文庫/非英語圏作品一覧 1963年9月に創元推理文庫のSF部門としてスタート。1991年に「創元SF文庫」として独立した。ここでは創元推理文庫のSF部門の作品も一緒に扱う。 日本の作品は省略。 著者 タイトル 訳者 出版年月 # 備考 フランス語 ジュール・ヴェルヌ(フランス) 月世界へ行く 江口清 1964年10月 SFウ1-1 地底旅行 窪田般彌 1968年11月 SFウ1-2 悪魔の発明 鈴木豊 1970年8月 SFウ1-3 オクス博士の幻想 窪田般彌 1970年11月 SFウ1-4 海底二万里 荒川浩充 1977年4月 SFウ1-5 動く人工島 三輪秀彦 1978年2月 SFウ1-6 八十日間世界一周 田辺貞之助 1976年3月 SFウ1-7 サハラ砂漠の秘密 石川湧 1972年3月 SFウ1-8 必死の逃亡者 石川湧 1972年6月 SFウ1-9 十五少年漂流記 荒川浩充 1993年8月 SFウ1-10 地軸変更計画 榊原晃三 2005年9月 SFウ1-11 ピエール・ブール(フランス) 猿の惑星 大久保輝臣 1968年7月 SFフ7-1 ジャック・ヴァレ(フランス) 異星人情報局 礒部剛喜 2003年5月 SFウ10-1 ドイツ語 ハインリッヒ・ハウザー(ドイツ) 巨人頭脳 松谷健二 1965年8月 SFハ18-1 K・H・シェール(ドイツ) 地底のエリート 松谷健二 1966年7月 SFシ1-1 地球人捕虜収容所 松谷健二 1968年3月 SFシ1-2 地球への追放者 松谷健二 1969年7月 SFシ1-3 宇宙船ピュルスの人々 松谷健二 1970年6月 SFシ1-4 テア・フォン・ハルボウ(ドイツ) メトロポリス 前川道介 1988年12月 SFハ16-1 FからSFに移動/2005年の復刊フェアで新カバー化/2018年の復刊フェアで復刊 ロシア語 アレクサンドル・ベリャーエフ(ソ連) ドウエル教授の首 原卓也 1969年1月 SFヘ3-1 2016年の復刊フェアで復刊 セルゲイ・スニェーゴフ(ソ連) 銀河の破壊者 深見弾 1983年12月 SFス4-1 ペルセウス座進攻 深見弾 1984年3月 SFス4-2 逆時間の環 深見弾 1985年3月 SFス4-3 チェコ語 カレル・チャペック(チェコ) 山椒魚戦争 松谷健二 1968年2月 SFチ1-1 『ロシア・ソビエトSF傑作集 上』(1979年3月) 『ロシア・ソビエトSF傑作集 下』(1979年4月) 『東欧SF傑作集 上』(1980年9月) 『東欧SF傑作集 下』(1980年11月) 文庫ではないが、2011年9月には東京創元社より『時間はだれも待ってくれない 21世紀東欧SF・ファンタスチカ傑作集』(高野史緒編)が刊行されている(東京創元社公式サイト 内容紹介)。 アンソロジージュディス・メリル編『年刊SF傑作選 5』(1973年9月)ヨゼフ・ネスワドバ(ヨゼフ・ネスヴァードバ)「第三帝国最後の秘密兵器」 - チェコ ロマン・ギャリー(ロマン・ガリー)「退廃」 - フランス ホセ・マリア・ヒロネリャ「赤い卵」 - スペイン ジュディス・メリル編『年刊SF傑作選 6』(1975年3月)ホルヘ・ルイス・ボルヘス「円環の廃墟」 - アルゼンチン(スペイン語) スチュアート・デイヴィッド・シフ編『マッド・サイエンティスト』(1982年4月)ヴィリエ・ド・リラダン「ハルリドンヒル博士の英雄的行為」 - フランス 参考文献 高橋良平+東京創元社編集部編『東京創元社 文庫解説総目録』東京創元社、2010年12月2010年3月までの目録。それ以降の出版物については東京創元社公式サイトで調べた。 「Mシ1-1」のような方式の整理番号が付されるようになったのは1991年以降だが、この本ではそれ以前に刊行されたものについても整理番号が付されている。 更新履歴 2018年11月6日2014年7月で更新が途絶えていたが、2014年8月以降に刊行された海外ミステリの非英語圏作品50タイトルのデータを追加(2018年10月刊行分までのデータを反映/11月・12月の刊行予定もいくつか記載)。 ただし、原題および原著刊行年のデータは未記載。 リストに新たに追加した作品については、作品名をクリックすると東京創元社の書籍紹介ページが開くようにした。 関連記事 非英語圏ミステリ各種リスト ポケミス非英語圏作品一覧 ハヤカワ・ミステリ文庫非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況 ヨーロッパの推理小説 - ヨーロッパの推理小説に関する日本語文献の一覧
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/155.html
2011年2月3日 2011年8月4日増補(詳細はページ最下部の「第一章 更新履歴」参照) 「中国ミステリ史」は、19世紀末から現代(2011年)までの中国の探偵小説(偵探小説)/推理小説/ミステリの歴史を、第一章から第六章の全6ページに分けて紹介するものである。 『中国ミステリ史 第一章』では、そのうち19世紀末から1910年代まで(清末)を扱っている。 目次 『中国ミステリ史 第一章』 19世紀末~1910年代 はじめに 第一章 19世紀末~1910年代: 欧米探偵小説の受容と国産化の試み第一節 東アジア・東南アジアでのホームズの受容 第二節 裁判小説から探偵小説へ(1)中国初の創作探偵小説 (2)中国古来の裁判小説 (3)翻訳探偵小説とその国産化の試み 参考文献 第一章 更新履歴 『中国ミステリ史 第二章』 (1910年代~1940年代) 第二章 1910年代~1940年代: ホームズ、ルパンからフオサン、ルーピンへ第一節 中国ミステリ草創期: 上海の「青」と「紅(あか)」(1)程小青(てい しょうせい)/名探偵フオサン (2)孫了紅(そん りょうこう)/怪盗紳士ルーピン (3)同時代の中国探偵作家 第二節 1940年代の探偵小説雑誌の隆盛 第三節 同時代の日本から見た当時の中国探偵小説界 第四節 邦訳された19世紀末~1940年代の中国探偵小説 『中国ミステリ史 第三章』 (1940年代末~1970年代) 第三章 1950年代~1970年代: 社会状況の変化による中国ミステリの転変第一節 中華人民共和国の成立と旧ソ連探偵小説の流入 第二節 中国の推理作家とソ連の推理作家の交流(1956年) 第三節 ソ連の探偵小説の変化(アルカージイ・アダモフ『雑色事件』(1956)) 第四節 文化大革命期の"写本"現象 第五節 邦訳された1950年代~1970年代の中国探偵小説 『中国ミステリ史 第四章』 (1970年代末~1990年代) 第四章 1970年代末~1990年代: 翻訳ブームと中国ミステリの多様化第一節 日本の社会派推理小説が中国でもブームに 第二節 中国ミステリの多様化 第三節 1990年代末の中国翻訳ミステリ事情 第四節 邦訳された1980年代~1990年代の中国推理小説 『中国ミステリ史 第五章』 (1990年代末~21世紀初頭) 第五章 20世紀末~21世紀初頭: 新たなミステリの潮流第一節 インターネットという新天地/新たな創作の場 第二節 ネット上で活躍していたミステリ執筆者が紙媒体へ/雑誌『歳月・推理』創刊 第三節 邦訳された21世紀の中国ミステリ 『中国ミステリ史 第六章』 (現代) 第六章 現代の中国ミステリ界第一節 北京偵探推理文芸協会の活動 第二節 現代の中国ミステリ作家 第三節 賞・ランキング・雑誌・その他 おわりに はじめに この「中国ミステリ史」は、『中国科学幻想文学館』(上巻、下巻)(武田雅哉・林久之著、大修館書店、2001年)という中国SFの歴史を紹介する本に触発されて作成したものである。このような書籍が出ていることからも分かるように、日本では、中国のSF小説の紹介は少ないながらもそれなりになされてきた。早川書房の『S-Fマガジン』で中国SF特集が組まれたこともある(2008年9月号)。一方で、中国の推理小説については、日本ではほとんど知られていない。「中国には推理小説はほとんどないらしい」とさえ言われることがある。そこで、ここに中国の推理小説の歴史をまとめ、紹介することにした。中国の20世紀以降のミステリ史を日本語でまとめたものは、あるいは学術論文などではあったかもしれないが、ミステリファンの視点でミステリファンがまとめ、ネット上で公開するのは初めてではないかと思う。 当初は、今までに収集した数少ない中国ミステリ関連資料をメモ書き程度にまとめるつもりだったが、まとめている途中で「百年華文推理簡史(ひゃくねん かぶん すいり かんし)」つまり「中国語圏ミステリ百年略史」という詳細かつ信頼できる資料を見つけたので、基本的にここでの中国ミステリに関する記述はこの資料に大部分を拠っている。 「百年華文推理簡史」の執筆者は、中国最大手のミステリ総合サイト「推理之門(すいり の もん)」の管理人・老蔡(ラオツァイ)氏と、中国のミステリ雑誌『歳月・推理』などで作品を発表している推理作家の杜撰(ずさん)氏である。現段階では「推理之門」や『歳月・推理』と言われてもピンとくる人は少ないと思うが、この「中国ミステリ史」を読めば、これらのWebサイトや雑誌が中国ミステリ界においてどのような地位を占めるものかが分かるはずである。なお、「百年華文推理簡史」ではふんだんに写真が使われているので、この「中国ミステリ史」とあわせて、ぜひそちらも参照してもらいたい。 個人的な興味から、中国ミステリ史を略述すると同時に、同時代のアジアでの動きにもしばしば触れている。 【注】 中国語の「偵探 zhentan」という語について 中国初の探偵小説雑誌は、1923年創刊の『偵探世界(ジェンタン シージエ)』である。この雑誌名は、日本語の文献ではそのまま『偵探世界』と書かれる場合もあるし、日本語にあわせて『探偵世界』とされる場合もある。混乱を避けるため、このページでは書籍・雑誌のタイトルや団体名などに使われている中国語の「偵探(ジェンタン)」という語は、そのまま「偵探(ていたん)」とする。 【注】 中国語の「華文 huawen」という語について 中国語の「華文(ホアウェン)」という語は「中国語」という意味である。賞の名前などに使用された際に、「華文(ホアウェン)」を「中国語」と直すと非常に座りが悪くなってしまうため、このページでは中国語の「華文(ホアウェン)」はそのまま「華文(かぶん)」とする。 「偵探(ていたん)」も「華文(かぶん)」も本来日本語にはない語だが、「ミステリ」や「アリバイ」などと同じ外来語だと思って、覚えてもらえれば幸いである。 第一章 19世紀末~1910年代: 欧米探偵小説の受容と国産化の試み 第一節 東アジア・東南アジアでのホームズの受容 【日本で最初にホームズものが訳された年代について誤りがありました。資料を手に入れたら直します。失礼いたしました】 「推理小説的な物語」の起源は探ればきりがなくなるが、現代にいたるミステリの流れを考えるにあたっては、各地でのシャーロック・ホームズシリーズ(発表時期:1887年~1927年)の受容とそのローカル版の成立を見ていくのが分かりやすいと思う。日本では、1899年4月から7月にかけて『A Study in Scarlet(緋色の研究)』(1887)の翻案『血染の壁』が毎日新聞に連載されたのがホームズシリーズの最初の紹介だとされる。翻案者は「無名氏」。この『血染の壁』では、ホームズは「小室泰六」、ワトソンは「和田進一」とされていた。『緋色の研究』のみに着目してその後の流れを見ると、この作品は翌1900年には『新陰陽博士』、1901年には『モルモン奇譚』、1906年には『神通力』というタイトルで翻訳(翻案)されている。『神通力』では、ホームズは「堀見猪之吉」、ワトソンは「和田真吉」とされているという。 その後、1917年には岡本綺堂が「江戸探偵名話」シリーズの連載を開始。このシリーズの主人公は、その第1作で「彼は江戸時代に於ける隠れたるシャアロック・ホームズであつた」と紹介されている。ホームズシリーズの影響下に誕生したこのシリーズは、1924年の単行本刊行時より「半七捕物帳」の名で広く知られている。また1923年には江戸川乱歩がデビューし、翌年には探偵・明智小五郎が初登場している。 中国では、1896年に張坤徳(ちょう こんとく/チャン クントー)がホームズシリーズ4編を翻訳し、上海の新聞『時務報』に掲載。これが中国語になった最初のホームズシリーズとされる。最初に訳された作品は、「海軍条約文書事件」(1893)(中国語タイトル:「英包探勘盗密約案」)である。ホームズの最初の翻訳は中国よりも日本の方がわずかに早かったが、ホームズ全集の刊行は、日本より中国の方が早かった。中国で最初にホームズ全集が出たのは1916年であり、一方、日本でホームズ全集が最初に出たのは、1931年末から1932年末にかけてであった。 19世紀末から20世紀初めにかけて中国(清および中華民国)では翻訳小説ブームが訪れており、ホームズなどの欧米作品のみならず、黒岩涙香や押川春浪などの日本の作品(翻案作品含む)も中国語に訳されていたという。 タイでは1912年に「第二の汚点」(1904)がルアン・ナイウィチャーン(筆名シースワン)によって翻訳され、『パドゥン・ウィッタヤー』に掲載されたのが最初である。1915年には、ルアン・サーラーヌプラパンにより『バスカヴィル家の犬』が翻訳刊行され、その後もホームズシリーズは次々と翻訳された。同時期に、タイ人の手による最初の探偵小説『トーンイン物語』が発表されている。主人公のトーンインがホームズばりの活躍をするストーリーで、執筆したのはシェイクスピアの翻訳やミステリ小説の翻訳もおこなっていた国王のラーマ6世(Wikipedia)である。(宇戸清治(2009)) 現在のマレーシア・インドネシアに当たる地域では、1910年ごろ(確実なのは1914年)にホームズが初めて翻訳された(「マレー語」(現在のマレーシア語・インドネシア語)への翻訳)。(柏村彰夫(2010)) 朝鮮半島ではホームズものの最初の翻訳は1918年の「三人の学生」(1904)だった(bookgram(2009))。また、それ以前から黒岩涙香の翻案作品を再翻案したものが人気を得ていた。代表的なものに、黒岩涙香の翻案小説『巌窟王』(1901)を再翻案したイ・サンヒョプの『海王星』(1916)がある。 第二節 裁判小説から探偵小説へ 【主要参考文献:老蔡(ラオツァイ)、杜撰(ずさん)(2009)「百年華文推理簡史 引言」、老蔡(2009)「百年華文推理簡史 一、中国偵探小説的起源」】 【2011年8月4日追加】 (1)中国初の創作探偵小説 中国では、1885年発行と推定される知非子(ちひし)「冤獄縁(えんごくえん)」が初の創作探偵小説だとされている。ただし、中国で初めて欧米の探偵小説が翻訳されるのより11年も早く、またシャーロック・ホームズが登場する最初の作品『緋色の研究』より2年も早いことから、その発行年に関しては議論がある。 日本の最初の創作探偵小説は、1888年の須藤南翠(1857-1920)「殺人犯」、または1889年の黒岩涙香(1862-1920)「無惨」(青空文庫)とされるので、「冤獄縁」の発行年の1885年というのが正しければ、中国では日本よりも早く創作探偵小説が誕生していたことになる。なお韓国では、イ・ヘジョ(李海朝、1869-1927)が1908年末から1909年初めにかけて新聞に連載した『双玉笛(そう ぎょくてき)』が初の創作探偵小説とされている。 (2)中国古来の裁判小説 1890年には、作者不明の長編探偵小説『狄公案(てきこうあん)』【注1】が刊行されている。この作品は、オランダの推理作家・東洋学者のロバート・ファン・ヒューリック(1910-1967)が英訳し、また自らそれに題材を採った推理小説〈狄(ディー)判事シリーズ〉を執筆したことで、欧米ではよく知られている。江戸川乱歩はヒューリックによる英訳で『狄公案』を読み、「一本を求め帰って読んで見ると、棠陰比事(とういうんひじ)【注2】などの短篇と違い、長篇本格探偵小説の体をなしていて西洋のガボリオやボアゴベイに比べても、大して見劣りしないほどで、その上、長篇探偵小説として西洋にも例のない面白い構成になっている。日本の小説家は棠陰比事の類ばかり輸入して、こんな優れたものを、なぜ注意しなかったのかと、不思議に思われる」(探偵作家クラブ会報第33号(1950年2月))と、この作品をフランスの探偵作家ガボリオやボアゴベの作品と並べて称賛している。この作品は、欧米探偵小説の影響を受ける以前の中国古来の探偵小説、すなわち公案小説(こうあんしょうせつ)の形式で書かれたものである。残念ながら現在にいたるまで日本語の完訳は出ていないが、有坂正三氏による抄訳『狄仁傑(てきじんけつ)の不思議な事件簿』が2007年に刊行されている。 公案小説は、中国の明の時代の末期(16世紀末 - 17世紀初め)ごろから多く書かれるようになったジャンルで、名裁判官が事件の謎を解き、真犯人を明らかにするというものである。裁判官役としては、包拯(ほうじょう)や狄仁傑(てき じんけつ/ディー・レンチエ)などの実在の人物があてられる。代表的なものに、『包公案(ほうこうあん)』【注3】(別名:龍図公案(りゅうとこうあん))や、『施公案(しこうあん)』【注4】などがある。これらは現在のミステリと必ずしも同じものではなく、やはり現在のミステリは欧米ミステリ(及びその伝播)に始まると言って差し支えないが、公案小説は中国のみならず、日本や韓国を含む東アジア諸国が欧米探偵小説を受容する際にその基層となったものなので、まったく触れないというわけにもいかないだろう。(中国の公案小説が日本や韓国に与えた影響については、のちに「東アジアミステリの源流」(未完成)で簡単にまとめる予定) その後、1896年に上海の新聞『時務報』にホームズシリーズ4作の中国語訳が掲載され、中国に初めて欧米の探偵小説が紹介されると、『時務報』のほかに『新小説』、『月月小説』、『礼拝六(The Saturday)』などの雑誌も探偵小説を掲載するようになる。 上海の小説家・呉趼人(ごけんじん、1866-1910)は、欧米探偵小説を手本に公案小説の改造を試みた『九命奇冤(きゅうめいきえん)』(1903年連載開始)や、中国の古書から34の事件簿をとりまとめた『中国偵探案』(1906年出版)などを発表しているが、これらは欧米探偵小説のファンの好評を得ることはできず、1910年の彼の死をもって、中国の伝統的な探偵小説である公案小説は終焉を迎えることになった。 注1:『狄公案(てきこうあん)』の成立年代はよく分かっていない。書籍として刊行されたのは1890年(井波律子(2003))とのことだが、物語自体はそれ以前からあったようである。ロバート・ファン・ヒューリックが英訳に際して使ったのは、古典籍を扱う東京の琳琅閣(りんろうかく)書店(公式サイト)で手に入れた写本だが、その写本は17世紀か18世紀ごろのものだとヒューリックは言っている。中国文学者の辛島驍(からしま たけし)氏は、ヒューリックや乱歩を交えた座談会で、どんなに早いとしても1798年に出版された『施公案(しこうあん)』よりはさかのぼらないだろうと述べている(このとき、辛島氏は『狄公案』の英訳を読んだだけで、『狄公案』の写本には目を通していない)。 注2:『棠陰比事(とういうんひじ)』(桂万栄(けい ばんえい)編、1207年)は、中国の宋の時代に成立した裁判エピソード集。「棠陰」(とういん)は"梨のこかげ"転じて「裁判所」という意味、「比事」は「事件・案件を比べる」という意味であり、『棠陰比事』というタイトルを分かりやすく和訳すれば『名裁判くらべ』となる。似通った2つの事件を一対として、七十二対、計144のエピソードが収録されていることからこのタイトルがつけられている。収録されているエピソードはすべて実話とされている。日本では、1649年に『棠陰比事物語』というタイトルで翻訳出版され、人気を博した。その後日本では、井原西鶴が1689年に、「棠(なし)」を日本風の「桜」に変えた『本朝桜陰比事(ほんちょうおういんひじ)』(裁判エピソード全44編を収録)を刊行。日本初の創作探偵小説とされる黒岩涙香「無惨」の発表のちょうど200年前、有栖川有栖や北村薫のデビューのちょうど300年前に刊行されたこの『本朝桜陰比事』は、「日本の推理小説の源流」と見なされることもある。なお、『棠陰比事』は岩波文庫版の表紙によれば、「推理小説ファンにとって見のがせぬ一冊」であるとのこと。 注3:『包公案』のエピソードのいくつかは、有坂正三『包青天奇案―中国版・大岡越前の物語』(文芸社、2006年)で読むことができる。北村薫は、『包公案』のエピソードの翻案だと推定される都賀庭鐘(つが ていしょう、Wikipedia)の「白水翁(はくすいおう)が売卜(まいぼく)直言(ちょくげん)奇(き)を示(しめ)す話(こと)」(『古今奇談 英(はなぶさ)草子』、1749年)を、日本初の本格ミステリだとしている。 注4:中国文学者の辛島驍(からしま たけし)氏は、1798年に出版された『施公案(しこうあん)』を中国初の長編探偵小説だと見ている。これは辛島氏の言を借りれば「折り畳み式長編、螺旋階段式長編」であり、1つの事件が解決しないうちに次の事件が起き、エピソードが200回、300回と重ねられていくタイプの長編である。 (3)翻訳探偵小説とその国産化の試み 【未完成。加筆予定】 1907年に出版された呂侠(吕侠)の『中国女偵探』(中国女侦探)は、収録作3編のうち2編が『新青年』に訳載されている(詳細は「第二節第三節」で改めて述べる)。 参考文献 中国ミステリ史 参考文献 (新しいウィンドウで開きます) 第一章 更新履歴 2011年2月3日:公開 2011年8月4日:「第二節 公案小説から探偵小説へ」を新設。 『中国ミステリ史 第一章』(19世紀末~1910年代) ←今見ているページ 『中国ミステリ史 第二章』(1910年代~1940年代) 『中国ミステリ史 第三章』(1940年代末~1970年代) 『中国ミステリ史 第四章』(1970年代末~1990年代) 『中国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭) 『中国ミステリ史 第六章』(現代)
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/110.html
2011年2月10日 『中国ミステリ史 第五章』では、1990年代末から21世紀初頭までの中国の探偵小説(偵探小説)/推理小説/ミステリの歴史を紹介している。 目次 第五章 20世紀末~21世紀初頭: 新たなミステリの潮流第一節 インターネットという新天地/新たな創作の場 第二節 ネット上で活躍していたミステリ執筆者が紙媒体へ/雑誌『歳月・推理』創刊 第三節 邦訳された21世紀の中国探偵小説 参考文献 第五章 20世紀末~21世紀初頭: 新たなミステリの潮流 第一節 インターネットという新天地/新たな創作の場 【主要参考文献:杜撰(ずさん)(2009)「百年華文推理簡史 九、網絡推理小説的創作熱潮」】 20世紀末より、今までとはまったく違う文脈でミステリ作家が登場するようになる。大きな役割を果たしたのは、インターネット環境の整備である。1998年、中国語簡体字による最初の推理小説ファンサイトとされる『偵探推理園地(ていたん すいり えんち)』(侦探推理园地)が誕生。続いて次々とミステリ関連サイトが開設されるが、その中でも、中国オンラインミステリの発展に最も影響を与えたのが1999年開設の『華生的偵探世界(かせい の ていたんせかい)』(华生的侦探世界)だった。このサイトはほかのサイトにはないオリジナルコンテンツとして「推理クイズ」コーナーを擁していたが(現物を見ていないが、おそらく阿井幸作さんのブログ「トリフィドの日が来ても二人だけは読み抜く」に掲載されているこのようなものだと思われる)、このコーナーはまたたく間に人気コーナーとなり、ほかのサイトの管理人たちもこぞって推理クイズを作成するようになる。この「推理クイズ」文化は1999年中ごろに発生し、またたく間に中国語簡体字圏のミステリサイト中に広まったという。 (【注】 簡体字(かんたいじ):中国で使われている簡略化された漢字のこと。たとえば、「学習」は「学习」と書かれる。簡体字と対になる語は繁体字(はんたいじ)で、これは台湾や香港などで使われている省略されていない元の漢字のこと。たとえば「学習」は「學習」となる。繁体字は、日本の旧字体とほぼ同じものだと考えてよい。) 2000年8月、ミステリ関連サイトの管理人と古参の推理マニアが十数人が集まり、現在も存続する中国最大手のミステリ総合サイト「推理之門(すいり の もん)」が開設される。このとき推理之門の管理人に推薦されたのが、「書香門第網絡図書館(読書家 ネット としょかん)」(书香门第网络图书馆)を運営していた老蔡(ラオツァイ)氏だった。中国オリジナルミステリの発展に寄与することを旨とするこのサイトでは、当時の推理クイズ文化を受けて、「毎週謎題(まいしゅう めいだい)」コーナーすなわち毎週定期的にオリジナルの推理クイズを出題するコーナーが設けられ、またオリジナルの推理小説を投稿できる掲示板も設けられた。「推理クイズ」は2011年2月現在も続いており、クイズの数は計459に達している(「推理之門」にユーザー登録しないと見られない)。現在の中国のミステリ作家の中には、この推理クイズの作成をきっかけに小説を執筆するようになったという人も少なくない。最初のころに創作ミステリ掲示板に投稿された作品は、単なる推理「クイズ」から脱し切れていなかったが、熱心な読者の励ましと批評により、執筆者は次第に腕を上げ、推理「小説」といえるものが書かれるようになっていった。 2003年3月、大衆文芸出版社(大众文艺出版社)より、「推理之門」に投稿された創作ミステリ21編を収録したアンソロジー『指紋』(指纹)が刊行される。そのレベルは決して高くはなかったが、このようにオンライン推理小説が出版されたことは、ネット上で創作する多くの作者に希望を与え、さらなる情熱を呼び起こした。 2004年から2006年にかけて、「推理之門」では創作ミステリのコンテストを何度か行った。このころ、「推理之門」でオリジナルミステリの書き手として注目を集めたのが、日本でも2009年に『蝶の夢』が刊行されている水天一色(すいてん いっしき)や、服部平次(フーブー ピンツー)・羅修(ら しゅう/ルオ シウ)・杜撰(ずさん)といった作家たちである。 服部平次(フーブー ピンツー)現在20代またはそれ以下のミステリファンなら必ずこの名前(というか、この文字の並び)に心当たりがあるはずである。断言はできないが、名探偵コナンの登場人物・服部平次(はっとり へいじ)から筆名を取ったと思われる。服部平次(フーブー ピンツー)は1998年よりネット上で推理小説の創作を開始。「推理之門」では2001年から2005年にかけて数十編の短編を発表した。創作理念に変化があり2005年に一度ミステリの創作から離れたが、2008年より本名の馬天(ばてん/マーティエン/马天)名義で雑誌『歳月・推理』にミステリを掲載している。敬愛する推理作家として、欧米ではエラリー・クイーン、日本では島田荘司、東野圭吾を挙げており、特に本格ミステリを好んでいる。出版された書籍に、『女王勲章 The Queen s Medal』(女王勋章)、『時光隧道(じこう すいどう) The Time Tunnel』(时光隧道)がある。『時光隧道』および、古い型に「島田荘司流」を流し込んで新しくした『旅行推理』シリーズ(未単行本化)は、現在の中国ミステリを代表する短編シリーズである。 羅修(ら しゅう/ルオ シウ/罗修)2001年より「推理之門」で創作ミステリの発表を開始。2005年まで、服部平次とともにオンラインミステリ創作の2大エースだった。2005年に服部平次が一度ミステリ創作から離れた後は、一人で「推理之門」の創作ミステリの先陣を走り、また創作ミステリ掲示板の管理人として、創作を志す新人をはげまし、オンライン創作ミステリ界を盛り上げた。2006年に『歳月・推理』が創刊されるとそこで作品を発表し好評を得る。しかし、初の単行本『麒麟之死(きりん の し) The American Pen Mystery』が刊行される直前の2007年5月、心臓病のため27歳という若さでこの世を去った。没後に出版された書籍にほかに、『狐仙伝(こせんでん) The Tale of Fox』(狐仙传、2008)、『女媧石伝奇(じょかせき でんき)(上) 九藜山荘不可思議的殺人(きゅうれんさんそう ふかしぎ さつじん)』(女娲石传奇 上部 九藜山庄不可思议的杀人、2008)、『女媧石伝奇(下) 女媧石密碼(じょかせき の 暗号)』(女娲石传奇 下部 女娲石密码、2008)がある。2007年7月、北京偵探推理文芸協会より特別記念賞が贈られた。エラリー・クイーンを敬愛しており、「アメリカペンの謎」という副題を付けた上記の『麒麟之死 The American Pen Mystery』のほか、短編「日本人形の謎(日本娃娃之谜)」、「インド真珠の謎(印度珍珠之谜)」、「モンゴル駿馬の謎(蒙古骏马之谜)」、「中国爆竹の謎(中国炮仗之谜)」などがある。 水天一色(すいてん いっしき/シュイティエン イースー)(1981 - )水天一色の作品はすでに日本でも刊行されているので、名前を聞いたことがある人も多いだろう。2009年11月に日本で刊行された『蝶の夢 乱神館記』(原著2006年)は、毎年恒例の原書房『本格ミステリ・ベスト10』の海外部門で14位となり、個別の投票結果を見ると、推理小説評論家の千街晶之氏が年間1位に、ほかに3名が年間2位に推すという好成績を収めた。千街晶之氏の「今後もこのシリーズを続けて紹介してほしいと心底希望する」というコメントは、海を越えて前述の中国ミステリ総合サイト「推理之門」にも届き話題になった(原书房发布《2011本格推理BEST10》水天一色作品入选)。なお、同ランキングでは台湾の寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記』も12位に入っている。また『蝶の夢』は、『本の雑誌』2010年9月号の「初心者向けおすすめミステリー30」で30冊のうちの1冊に選ばれている。 水天一色と寵物先生は、両人とも第4回(2006年)台湾推理作家協会賞に参加している。この賞は台湾推理作家協会が主催する短編ミステリの公募新人賞で、この時は水天一色が1次選考通過、寵物先生が3次選考通過(最終候補)だった。 乱神館記シリーズはまだ『蝶の夢』しか発表されていないが、ほかに学生探偵・杜落寒(ドゥールオハン)が活躍する「杜公子シリーズ」の長編『盲人と犬』(盲人与狗、2008)、『学校の惨劇』(校园惨剧、2008)がある。「推理之門」では創作スピードは遅かったが、どの作品も質は高かった。2007年には、「推理之門」に掲載した「青煙手記(せいえん しゅき)」(青烟手记)が第4回北京偵探推理文芸協会賞に入選。2006年より『歳月・推理』の編集者となり、「推理之門」で活躍していた作家を紙の雑誌という新たな舞台へと引き入れる役割を果たした。 杜撰(ずさん)(1984 - ) (ブログ)2005年2月から「推理之門」で創作ミステリの発表を開始。2006年8月までに20編発表。『歳月・推理』創刊後はそちらに舞台を移し、2006年末から2007年にかけて、新作の不可能犯罪物のミステリ短編の13か月連続掲載を成し遂げた。のちに同誌の編集者になり、オリジナルミステリの掲載数を増加させることと、「本格ミステリの重視」を編集方針として打ち出した。影響を受けた作家に、エラリー・クイーン、ジョン・ディクスン・カー、横溝正史、島田荘司を挙げている。出版された書籍に、短編集の『純属杜撰(じゅんぞく ずさん)』、『第五元素』、『純属杜撰Ⅱ』、長編の『時之悲(とき の かなしみ)』がある。 日本の最近の若手作家では、米澤穂信(2001年デビュー)や北山猛邦(2002年デビュー)が、デビュー前にネット上で小説を発表していたことが知られている。中国で、1998年から2006年までネット上で鍛えられた若い力は、2006年に創刊されるミステリ専門雑誌『歳月・推理』上で花開くことになる。 インターネットが読書環境に与えた影響 インターネットの普及により現れたミステリファンサイトの中には、中国語簡体字圏では出版されていない国外ミステリ作品を違法に掲載しているものも多かった。すでに台湾や香港で刊行された翻訳本を用いたり、あるいは自分で訳したりして、欧米から日本まで幅広いミステリがネット上で読めるようになっていたという。当時まだ中国では刊行されていなかった島田荘司や綾辻行人の作品が人気を集めるようになったのもこのころだった。綾辻行人の作品は、台湾では1988年ごろから1998年にかけてすでに館シリーズの最初の6冊が刊行されており、その後も次々と翻訳が進んでいたが、大陸の方で館シリーズが最初に刊行されたのは2004年である(綾辻行人 海外で刊行された作品リスト)。 また、今まで第一章から、「ホームズなどの欧米探偵小説」(第一章)、「旧ソ連の反スパイ小説」(第二章)、「日本の社会派推理小説」(第三章)が中国ミステリ界にインパクトを与えてきたことを見てきたが、この時期に中国の特に若い世代に影響を与えたのは、日本の『金田一少年の事件簿』や『名探偵コナン』だった。『名探偵コナン』は1990年代末に中国でテレビ放送され、それによってミステリーに魅せられた少年少女も多かったという。このことは、上で紹介した中国の推理作家・馬天(ば てん/マーティエン)がネット上で『名探偵コナン』の登場人物の一人である「服部平次」の名をペンネームとして使っていたことからもうかがえるし、池田智恵(2009)によれば、日本で『蝶の夢』が刊行されている水天一色も、高校時代に放送が始まった『名探偵コナン』を毎回見るたびに、自分の書いているミステリの至らなさを思い知らされたということをインタビューで話しているという。中国における『名探偵コナン』の影響の大きさは、後述する雑誌『推理世界』でもうかがうことができる。 (もっとも、ドラマやアニメの影響を受けて漫画的な推理小説が増えた、ということを主張しようとしているのではない。たとえば、フランスの推理作家ポール・アルテもインタビューでアニメ『名探偵コナン』について「プロットがよくできているので驚きました」、「コナンのトリックには、すっかりだまされましたよ」(『本格ミステリー・ワールド2009』)と語っているし、不可能犯罪ものに詳しいミステリ翻訳家のジョン・ピュグマイヤー氏も、英文雑誌に掲載された密室ミステリーに関する座談会で、「日本に特有の、不可能殺人事件を味わう方法の一つとして、漫画を読むというやり方があります」として、漫画『金田一少年の事件簿』を挙げている(『本格ミステリー・ワールド2011』)。まだ海外への翻訳の少ない(特に欧米では少ない)日本のミステリの魅力を伝えるのに、日本の漫画(およびそれをドラマ化、アニメ化したもの)はアジアのみならず世界中で貢献しているのである。ヨーロッパでは、アニメ『キャプテン翼』をきっかけにサッカー選手を志した人もいるという。日本のミステリ漫画が世界に与えた影響については、いつか誰かがきっちり論じなくてはならないだろう。) 韓国でも『金田一少年の事件簿』はかなりの人気を博している。エキサイトニュースの記事「韓国で今、横溝正史がヒットするワケ」(2008年10月17日)によれば、韓国では金田一少年人気が先にあって、その結果「金田一耕助って誰?」ということで横溝人気に火がついたのだという。 第二節 ネット上で活躍していたミステリ執筆者が紙媒体へ/雑誌『歳月・推理』創刊 【主要参考文献:杜撰(ずさん)(2009)「百年華文推理簡史 十、《歳月·推理》与現今華文推理」】 2006年1月、中国でミステリ専門の月刊誌『歳月・推理』(岁月·推理)が創刊され、ネット上で活躍していた作家が紙媒体へと進出する。杜撰(2009)によれば、創刊以降の『歳月・推理』は3つの段階に分けられるという。第1段階は、2006年から2007年にかけての、主にオンラインミステリを掲載していた時期。このころの『歳月・推理』はいわばネット上の創作ミステリを集めたアンソロジーのようなもので、作品も有名作家の模倣にとどまっていたり、ネット用語を多く使用していたり、あるいは現実感がとぼしかったりする同人的な作品が多かったという。この時期の『歳月・推理』で一番の人気を集めたのは、もともと「推理之門」に掲載されていた午曄(ご よう/ウー イエ/午晔) の『罪悪天使 Evil Angel』(罪恶天使)で、漫画的な舞台設定やサスペンスで多くの読者をひきつけた。また、前述の羅修も、連続して短編を掲載した。 第2段階は2007年から2008年にかけてで、このころになると雑誌に依頼されて雑誌掲載のために書いた作品が増えていく。そのため、オンライン小説の欠点がだんたんと消えていき、小説に必要なストーリー性や現実感のあるミステリが執筆されるようになっていった。2007年7月に授賞式があった第4回北京偵探推理文芸協会賞では、『歳月・推理』掲載作品が6作品入選し、従来のミステリ文壇でもその力が通用することが証明された。また、2006年から2007年にかけて、『歳月・推理』編集部から4冊の単行本が誕生する。このときに刊行されたのが、2009年に邦訳が出た水天一色『蝶の夢』である。ほかの3冊は、『歳月・推理』創刊当初に人気を集めた前述の午曄『罪悪天使 Evil Angel』と、羅修『麒麟之死 The American Pen Mystery』と、周浩暉(しゅう こうき/チョウ ハオフイ/周浩晖)(ブログ)の『鬼望坡 The Cliff』(サスペンス作品)。また2007年1月には、少年読者向けの姉妹雑誌『推理世界』(月2回刊行)も創刊されている。この雑誌は、最初の半年間ほど『名探偵コナン』のイラストを表紙に無断(…だろう、おそらく)使用していたという問題はあったが、『歳月・推理』と同じくミステリ専門誌として、特に若い世代のミステリファンの増加に貢献している。(なお、この雑誌のキャッチコピーは最初の1年半ほどは「真相只有一个!」(真相はただひとつ!)であり、どこか『名探偵コナン』の決め台詞「真実はいつもひとつ!」を思い起こさせる。この辺りからも、中国における『名探偵コナン』の影響が見て取れる) 第3段階は2008年以降で、杜撰氏が歳月推理の編集になり、2つの方針を決める。1つは、中国オリジナルミステリの掲載を増やすこと。もう1つは、本格ミステリを主とすること。この方針のもと、2008年9月号のリニューアル号から2号連続で島田荘司のインタビューを掲載。またこの年、『歳月・推理』の不可能犯罪特集号で、御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)がデビュー。島田荘司流の奇想とトリックで話題となる。しばしミステリから離れていた馬天(=服部平次)もミステリ創作に復帰し、『歳月・推理』は本格ミステリ雑誌としての地歩を徐々に固めていく。また同編集部は、前年に続き、2008年には10冊の単行本を刊行。言桄(げんこう/イェングアン)の『七宗罪 Seven Sins』 は、赤川次郎を思わせる青春ミステリ路線。ほかに、水天一色の『盲人と犬』、『学校の惨劇』、杜撰の不可能犯罪ものの短編集『純属杜撰』などが刊行された。 2009年以降は、単行本では御手洗熊猫の短編集『御手洗濁的流浪』や、杜撰の初の長編『時之悲』を刊行したほか、台湾ミステリの簡体字版の刊行にも着手し、日本で『錯誤配置』が刊行されている藍霄(ランシャウ)の作品や、台湾推理作家協会創始者の既晴(き せい/ジー チン)、第1回島田荘司推理小説賞最終候補になった林斯諺(りん しげん/リン スーイェン)の作品を刊行した。 2010年末には、『歳月・推理』と『推理世界』の合同で華文推理大賞(後述)を創設。短編の創作ミステリを募集する公募新人賞で、第1回の結果は2012年4月に発表される。 御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)「中国のミステリ作家・御手洗熊猫の長編推理小説『島田流殺人事件』」参照。 推理世界(『歳月・推理』と『推理世界』の公式サイト)『歳月・推理』各号へのリンク集 『推理世界』各号へのリンク集 第三節 邦訳された21世紀の中国探偵小説 【2011年7月31日、追加】 ミステリ雑誌では、21世紀に入ってからの作品だが、2002年刊行の光文社『ジャーロ』7号(2002年春号)に畀愚(ビイユ、1970年生、男性)の短編「謀殺」が掲載されている。『ジャーロ』創刊号から連載されていた企画「世界のミステリーを読む」の第7回「中国編」で掲載。『上海文学』2001年7月号掲載の同タイトルの作品(表記は「谋杀」)の翻訳。もともとミステリ雑誌に掲載されたものではなく、ミステリらしい作品でもない。 また、中国語ではなく英語による創作だが、中国で育ちアメリカで著作活動をしているジョー・シャーロン(裘 小龍/Xiaolong QIU)の『上海の紅い死』が早川書房ハヤカワ・ミステリ文庫で2001年に刊行されている。この作品は、桐野夏生や宮部みゆき、前述の中国の作家・王朔や何家弘などの作品と並んで、イギリスの推理作家キャサリン・サンプソンが選ぶアジアミステリーベスト10にも選ばれている。 参考文献 中国ミステリ史 参考文献 (新しいウィンドウで開きます) 『中国ミステリ史 第一章』(19世紀末~1910年代) 『中国ミステリ史 第二章』(1910年代~1940年代) 『中国ミステリ史 第三章』(1940年代末~1970年代) 『中国ミステリ史 第四章』(1970年代末~1990年代) 『中国ミステリ史 第五章』(1990年代末~21世紀初頭) ←今見ているページ 『中国ミステリ史 第六章』(現代)
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/55.html
2010年6月5日作成 2012年2月11日大幅更新 日本の推理小説(を含む広義のエンターテインメント小説)の独訳本のリスト。 Amazon.deで適当に日本の作家名を検索し、そこから「この商品を買った人はこの商品も買っています」をたどっていくことでリストを作っている。そのため、ドイツで刊行された日本のミステリを網羅する完全なリストではない。 また、まず作家で選んで、それぞれの作家について翻訳状況を書いているので、なかにはミステリではない作品も含まれる。 Amazon.co.jp内に作成したリスト(ドイツ語版の表紙をざっと一覧できます) ドイツ語訳された日本のミステリ 2012年2月11日追記 雑誌『ミステリーズ!』のドイツミステリ特集号が刊行されたのを機に、今まで中途半端な形で公開していたリストを整理した。また、ページ最下部にドイツミステリ関連文献の一覧を付した。 Index あ行赤川次郎 (Jiro Akagawa) 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) 大沢在昌 (Arimasa Osawa) 奥田英朗 (Hideo Okuda) 小野不由美 (Fuyumi Ono) か行桐野夏生 (Natsuo Kirino) 栗本薫 (Kaoru Kurimoto) さ行桜庭一樹 (Kazuki Sakuraba) 鈴木光司 (Koji Suzuki) た行高橋克彦 (Katsuhiko Takahashi) 高見広春 (Koushun Takami) 戸川昌子 (Masako Togawa) な行夏樹静子 (Shizuko Natsuki) 西尾維新 (Nisioisin) 西村京太郎 (Kyotaro Nishimura) は行東野圭吾 (Keigo Higashino) ま行松本清張 (Seicho Matsumoto) 水上勉 (Tsutomu Mizukami) 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) や行結城昌治 (Shoji Yuki) 漫画の翻訳のみ石田衣良 (Ira Ishida) 乙一 (Otsuichi) 山田風太郎 (Futaro Yamada) アンソロジー・その他 リンク ドイツ語圏のミステリについて ※ISBNをクリックするとAmazon.deの該当ページが開くようになっています。 あ行 赤川次郎 (Jiro Akagawa) (ドイツ語版Wikipedia) Japanischer Alltag. Kurzgeschichten Japanisch-Deutsch 1 - Wie Lügen anfangen (嘘の発端) 2 - Falsch verbunden! (まちがい電話) 3 - Der Unlust-Index 79 (不快指数79) 4 - Die Braut ist erst achtzehn (十八歳の花嫁) 5 - Das Erfrischungstuch war zu heiß (熱すぎたおしぼり) 6 - Ich zeige dir mal, wie man richtig Urlaub macht (正しい休日の過し方教えます) 7 - Ausgerechnet unsere Tochter - Ein Schulaufsatz (わが子の作文) 8 - Das Gerücht (うわさ) ISBN 3875485386 (2009年10月) 見開きの左ページに日本語の原文、右ページにそのドイツ語訳文を配置した、日本語学習者向けの日独対訳本。赤川次郎のショートショート集『散歩道』(27編収録)から8編を収録。赤川次郎作品は、英訳は『三姉妹探偵団』と短編集『真夜中のための組曲』、フランス語訳は『マリオネットの罠』と『ひまつぶしの殺人』がある。 江戸川乱歩 (Edogawa Rampo) (ドイツ語版Wikipedia) Spiegelhölle. Acht Erzählungen / 短編集『鏡地獄』 Zwei Versehrte (二癈人) Zwillinge (双生児) Der psychologische Test (心理試験) Das Rote Zimmer (赤い部屋) Der Sesselmann (人間椅子) Spiegelhölle (鏡地獄) Die Raupe (芋虫) Auf der Klippe (断崖) ISBN 3929010976 (2004年11月) 乱歩がジェームズ・B・ハリスと協力して作成した英訳本『Japanese Tales of Mystery Imagination』(1956年)には9短編が収録されているが、ドイツ語版短編集はそのうち「押絵と旅する男」を除いた8編の収録となっている。 英訳やフランス語訳はそれぞれ数冊ずつ出ているが、ドイツでの単行本はこの1冊のみのようである。 大沢在昌 (Arimasa Osawa) Der Hai von Shinjuku / 『新宿鮫』(1990) ISBN 3980902226 (2005年2月) Der Hai von Shinjuku Rache auf chinesisch. / 『毒猿 新宿鮫II』(1991) - ドイツ語タイトルの直訳は『新宿鮫 中国人の復讐』 ISBN 3980902234 (2007年11月) 大沢作品の英訳はドイツ語訳と同じでこの2作のみ。フランス語訳はない。 奥田英朗 (Hideo Okuda) (ドイツ語版Wikipedia) Die japanische Couch Neue Geschichten aus der Praxis des Dr. Irabu / 『イン・ザ・プール』(2002) ISBN 3442737656(2008年6月) Die seltsamen Methoden des Dr. Irabu / 『空中ブランコ』(2004) ISBN 3442736021(2007年1月) Die merkwürdigen Fälle des Dr. Irabu / 『町長選挙』(2006) ISBN 3442740606(2010年8月) 精神科医・伊良部シリーズの全作品(短編集3冊)が翻訳されている。このシリーズは英訳は『イン・ザ・プール』のみ。奥田作品の英訳はほかに『ララピポ』がある。奥田作品のフランス語訳はない。 小野不由美 (Fuyumi Ono) 『十二国記』が4冊翻訳出版されている(第1巻)。(『十二国記』は英訳もフランス語訳もある) か行 桐野夏生 (Natsuo Kirino) (ドイツ語版Wikipedia) Die Umarmung des Todes / 『OUT』(1997) - ドイツ語タイトルの直訳は『死の抱擁』 ISBN 3442309174(2003年5月) ISBN 3442458528(2005年1月) Teufelskind / 『I m sorry, mama.』(2004) ISBN 3442311659(2008年11月) ISBN 3442473918(2010年10月) Grotesk / 『グロテスク』(2003) ISBN 3442301300(2010年5月) 英訳:『OUT』、『グロテスク』、『リアルワールド』 フランス語訳:『OUT』、『グロテスク』、『リアルワールド』、『柔らかな頬』 イタリア語訳:『OUT』、『グロテスク』、『リアルワールド』、『柔らかな頬』、『東京島』 『OUT』は2004年にアメリカ探偵作家クラブ(MWA)・エドガー賞最優秀長編賞の候補になったこともあり、世界中で翻訳されている。英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語以外に、オランダ語、スペイン語、ポルトガル語(ブラジルで出版)、ロシア語、ポーランド語、スロベニア語、アイスランド語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語、ヘブライ語、ハンガリー語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語などにも翻訳されている。 栗本薫 (Kaoru Kurimoto) 『グイン・サーガ』が6冊翻訳出版されている(第1巻2005年版、第1巻2010年版)。なお英訳は5冊、フランス語訳は6冊、イタリア語訳は3冊。 さ行 桜庭一樹 (Kazuki Sakuraba) Gosick / 『GOSICK』 第1巻 ISBN 3865809162 (2006年11月) 第2巻 ISBN 3865809170 (2007年3月) 第3巻 ISBN 3865809189 (2007年6月) 第4巻 ISBN 3865809197 (2007年10月) 第5巻 ISBN 3865809200 (2008年2月) 第6巻 ISBN 3867195579 (2008年11月) 英訳は第2巻まで。フランス語訳はない(フランスでは天乃咲哉による漫画版『GOSICK』が第4巻まで出版されている)。 桜庭作品のドイツ語訳はほかに、漫画版『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』(上巻、下巻)がある。漫画版『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』は英訳なし。フランス語訳あり。 鈴木光司 (Koji Suzuki) (ドイツ語版Wikipedia) The Ring / 『リング』(1991) ISBN 3453866797 (2003年2月) Spiral - The Ring 2 / 『らせん』(1995) ISBN 3453873866 (2003年12月) Loop - The Ring 3 / 『ループ』(1998) ISBN 3453878051 (2004年6月) The Ring 0 birthday / 『バースデイ』(1999) ISBN 3453431324 (2006年5月) Dark Water / 『仄暗い水の底から』(1996) ISBN 3453565002 (2004年12月) Der Graben / 『エッジ』 ISBN 3453437446 (2014年1月) 英訳:『リング』、『らせん』、『ループ』、『バースデイ』、『仄暗い水の底から』、『楽園』、『神々のプロムナード』、『エッジ』 フランス語訳:『リング』、『らせん』、『ループ』、『バースデイ』、『仄暗い水の底から』 イタリア語訳:『リング』、『らせん』、『ループ』、『仄暗い水の底から』 『リング』は日本のエンターテインメント小説として世界で成功した作品である。ほかにスペイン語、ルーマニア語、ポーランド語、ブルガリア語、リトアニア語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、トルコ語などに翻訳されている。タイでは現在、日本の推理小説が韓国や台湾、中国につぐペースで翻訳されているが、タイで日本のエンターテインメント小説(ミステリ含む)の翻訳ブームが起こったのは『リング』の翻訳出版がきっかけだったという。 た行 高橋克彦 (Katsuhiko Takahashi) Auf der Suche nach Sharaku / 『写楽殺人事件』(1983) ISBN 3861249189 (2013年3月) 江戸川乱歩賞受賞作。文化庁の「現代日本文学の翻訳・普及事業」(JLPP)で選定・翻訳された。 高見広春 (Koushun Takami) Battle Royale / 『バトル・ロワイアル』(1999) ISBN 3453675193 (2006年8月) ドイツ語のほか、英語、フランス語、イタリア語、ノルウェー語、中国語、韓国語などに翻訳されている。 戸川昌子 (Masako Togawa) (ドイツ語版Wikipedia) Der Kuss des Feuers / 『火の接吻』 ISBN 3442051142(1996年7月) Der Hauptschlüssel / 『大いなる幻影』 (江戸川乱歩賞受賞作) ISBN 3886195104(1997年11月) ISBN 3293202926(2004年2月) Trübe Wasser in Tokio / 『深い失速』 ISBN 3596139414(1998年) ISBN 3293202527(2003年2月) Schwestern der Nacht / 『猟人日記』 - ドイツ語タイトルの直訳は『夜の姉妹』 ISBN 3293202462(2002年9月) ISBN 3293204473(2009年2月) 英訳:『火の接吻』、『大いなる幻影』、『猟人日記』、『深い失速』 フランス語訳:『火の接吻』 イタリア語訳:『火の接吻』、『大いなる幻影』、『猟人日記』 スペイン語訳:『火の接吻』、『大いなる幻影』、『猟人日記』 『猟人日記』はほかにオランダ語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語などにも翻訳されている。 1987年に国際推理作家協会の第1回理事会が開かれた際、戸川昌子は協会からの指名で日本代表の理事となっている。その時期、戸川昌子は欧米でそれなりの知名度があったようだ。 な行 夏樹静子 (Shizuko Natsuki) Zwei Fremde in der Dunkelheit / 『第三の女』 ISBN 3442051436 (1994年11月) Mord am Fujiyama / 『Wの悲劇』 ISBN 3442051487 (1995年11月) ISBN 3442458684 (2005年) 『Wの悲劇』のドイツ語タイトルは英題と同じく『富士山の殺人』となっている。 『第三の女』は1987年に英訳、1988年にイタリア語訳が出ており、1989年にはフランス語訳が刊行された。このフランス語訳は同年、フランス冒険小説大賞を受賞している。 長編の英訳は6作品、フランス語訳は5作品、イタリア語訳は2作品。 夏樹静子は1981年5月、スウェーデン・ストックホルムで開催された第3回世界推理作家会議に日本推理作家協会代表として参加し、日本の推理小説事情に関して講演を行っている。1988年5月にアメリカ合衆国・ニューヨークで開催された第4回世界推理作家会議にも参加している。 西尾維新 (Nisioisin) Death Note Another Note / 『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(2006) ISBN 3867193711 (2008年5月) この作品は英訳もある。西尾作品で英訳があるのはほかに『クビキリサイクル』、『クビシメロマンチスト』、『xxxHOLiC アナザーホリック ランドルト環エアロゾル』。 『DEATH NOTE アナザーノート』は密室殺人を扱った作品で、不可能犯罪へのこだわりで知られるアメリカの本格ミステリ作家ハル・ホワイトも読んでいるらしい(参照)。 西村京太郎 (Kyotaro Nishimura) Das klatschende Äffchen /『南神威島(みなみかむいとう)』 - ドイツ語タイトルは「手を拍く猿」 ISBN 3936018839 (2012年2月) 表紙写真は「こちら」で見られる。おそらく西村京太郎の初のドイツ語単行本。「手を拍く猿」と「南神威島」が収録されているようなので、短編集『南神威島』(収録作:「南神威島」、「幻想の夏」、「手を拍く猿」、「カードの城」、「刑事」)の翻訳だろう。 西村京太郎作品の英訳は『ミステリー列車が消えた』のみ。イタリア語訳も同じく『ミステリー列車が消えた』のみ。フランス語訳は『ミステリー列車が消えた』を含め4作品ほどが刊行されている。 は行 東野圭吾 (Keigo Higashino) (ドイツ語版Wikipedia) Mord am See / 『レイクサイド』 ISBN 398090220X (2003年7月) Verdächtige Geliebte / 『容疑者Xの献身』 ISBN 3608939660 (2012年11月) Heilige Mörderin / 『聖女の救済』 ISBN 3608980121 (2014年2月) ほかに、東野圭吾原案・間瀬元朗作画の『HEADS』全4巻が翻訳出版されている(第1巻)。 東野圭吾の作品の欧米諸言語への翻訳は2000年刊行のイタリア語版『白馬山荘殺人事件』が最初で、次がドイツ語版『レイクサイド』である。 『容疑者Xの献身』は英語、フランス語、スペイン語、カタルーニャ語(スペイン東部で話されている言語)、ロシア語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語などに翻訳されている。ドイツ語訳はそれらよりもやや遅れて、2012年11月の刊行である。なお『容疑者Xの献身』のドイツ語への翻訳は国際交流基金より助成金を受けている(参照:国際交流基金 > 文化芸術交流 > 映像・出版 > 出版分野の支援 > 助成事業一覧 平成24(2012)年度 出版・翻訳) 関連記事 東野圭吾作品の欧米での翻訳出版について (2012年1月22日) ま行 松本清張 (Seicho Matsumoto) (ドイツ語版Wikipedia) Spiel mit dem Fahrplan / 『点と線』 B0000BSJUX、B006XV9NQM (1969年) ISBN 3596282306 (1991年5月) Mord am Amagi-Paß / 『天城越え』 B00273WMZE、B005MGDKGS (1983年) ISBN 3596281865 (1991年1月) 「天城越え」は短編なのでドイツ語版『天城越え』はもちろん短編集だろうが、収録作は分からない。 桐野夏生『OUT』がエドガー賞の候補になるまで、世界で(特に欧米で)最も有名な日本のミステリ作家といえば松本清張だっただろう。松本清張の作品は欧米主要言語は言うに及ばず、チェコ語、ブルガリア語、クロアチア語、ギリシャ語、フィンランド語、エストニア語、さらにはグルジア語やアルメニア語などにも翻訳されている。 水上勉 (Tsutomu Mizukami) (ドイツ語版Wikipedia) Im Tempel der Wildgänse / 『雁の寺』 ISBN 3861249049 (2008年2月) 『雁の寺』は英訳やフランス語訳もある。 宮部みゆき (Miyuki Miyabe) (ドイツ語版Wikipedia) Feuerwagen / 『火車』(1992) ISBN 386124912X (2011年10月) 英訳:『火車』、『クロスファイア』、『R.P.G.』、『魔術はささやく』、『龍は眠る』 ファンタジー作品『ブレイブ・ストーリー』、『英雄の書』 フランス語訳:『火車』、『クロスファイア』、『R.P.G.』、『淋しい狩人』 ファンタジー作品『ブレイブ・ストーリー』 イタリア語訳:『火車』 2011年になってやっと初のドイツ語単行本が出た。『火車』はスペイン語訳やギリシャ語訳もある。 や行 結城昌治 (Shoji Yuki) Ich bin kein Hund / 『ぼく、イヌじゃないよ』(1985) ISBN 3876275067 (1997年2月) 河出書房新社の叢書《メルヘンの森》(全6巻)の1冊として刊行された絵本。 漫画の翻訳のみ 石田衣良 (Ira Ishida) 漫画版『池袋ウエストゲートパーク』が刊行されている(第1巻)。 乙一 (Otsuichi) 清原紘による漫画版『傷』、『失踪Holiday』、『きみにしか聞こえない』 大岩ケンヂによる漫画版『GOTH』 都筑せつりによる漫画版『きみにしか聞こえない』 山田風太郎 (Futaro Yamada) 漫画版『柳生忍法帖』(第1巻)および『バジリスク』(第1巻)が刊行されている。 アンソロジー・その他 アンソロジーについては、国際交流基金の「日本文学翻訳書誌検索」を参考にした。 Japanische Kriminalgeschichten (エラリー・クイーン編、Ullstein、1983年)『Ellery Queen s Japanese Golden Dozen』(1978年)のドイツ語版。 収録作:石沢英太郎「噂を集め過ぎた男」、松本清張「奇妙な被告」、三好徹「死者の便り」、森村誠一「魔少年」、夏樹静子「断崖からの声」(Schrei von der Klippe)、西村京太郎「優しい脅迫者」、佐野洋「証拠なし」、笹沢左保「海からの招待状」、草野唯雄「復顔」、戸川昌子「黄色い吸血鬼」(Der Vampir)、土屋隆夫「加えて、消した」、筒井康隆「如菩薩団」 Japanische Kriminalgeschichten (Ingrid Schuster編、Reclam、1985年)上記と同タイトルだが別の本。谷崎潤一郎「私」、江戸川乱歩「赤い部屋」、松本清張「証言」、戸川昌子「黄色い吸血鬼」(Blutsauger)を収録 Die drei Metamorphosen der Tsuruko (Iudicium、2002年)泡坂妻夫「鶴の三変」が表題作となっている日本小説のアンソロジー。全15編収録。 ほかの収録作は山村美紗「高齢の使用人」、森岡浩之「普通の子ども」、星新一「うるさい上役」、高村薫「棕櫚とトカゲ」、山口洋子「花烏賊のころ」、内田春菊「夜の足音」、田辺聖子「三日月」、皆川博子「川」、黒井千次「家の中の扉」、阿刀田高「愛のすみか」、山田正紀「死蝋」、内海隆一郎「帰郷」、北野勇作「ペットを飼うヒト」、大槻ケンジ「のの子の復讐ジグジグ」 Ellery Queen's Kriminal Magazin 75松本清張作品掲載? リンク PDF Japan Forum, Vol.137 / Aug. 2006 特集「Krimis aus Japan」(日本の推理小説)在デュッセルドルフ日本国総領事館の発行。バックナンバー。 ドイツ語圏のミステリについて ドイツ語圏ミステリの邦訳状況については「ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧」をご覧ください。 ドイツ語圏ミステリを知るための文献一覧は「ヨーロッパの推理小説#ドイツ語圏」をご覧ください。 「日本ミステリの海外刊行」に戻る
https://w.atwiki.jp/2ch_otmegame/pages/27.html
ミステリー板 ミステリー板は眼鏡キャラ。頭の中で策謀を練る事を好む。 知識が豊富で教えたがり。 妹系タイプに弱いっぽい。 探偵事務所の新米所員。22歳。 任されている仕事は主に電話番と事務処理。 口数少なく淡白な性格で、何を考えているのかよく分からない。 趣味は旅行。何故か行く先々で事件に巻き込まれてしまう。 事件に直面すると口数が増え、豊富な知識・観察力・分析力で解決していく。 女向ゲーが夏休みに孤島に建つ洋館へ遊びに行くと登場。 仲良くなると冬休みに一緒にスキー旅行に行ける。 ミステリー「君が僕の相棒……“助手”だったんだな」 1:「そうよ、“探偵”さん」と笑って握手する 2:「いいえ、あなたが“助手”で私が“探偵”よ」と訂正する 3:「私は“神”だ!この愚か者!!」と張り倒す 1選択で好感度大UP、2で小UP、3でフラグ消滅。 3はイベント企画板が登場しそうだw →3選択 ――ドサッ 一撃でミステリー板が昏倒。 イベント「うぉい!なんだその選択はぁ!?」 女向ゲー「あ、ダメじゃないですか。“作者”が出て来るのはルール違反ですよ?」 イベント「お前の選択も十分ルール違反だ!!」 女向ゲー「ちゃんと選択肢から選んでいるから違反じゃないです」 イベント「あーあぁ、攻略対象を普通のすかなぁ……」 女向ゲー「不都合なら叙述トリックでも使って誤魔化せばどうです?」 イベント「……やけにミステリー用語に詳しいな」 気絶しているミステリー板を指差す女向ゲー。 女向ゲー「この愚か者の受け売りよ」 イベント「だー!!とにかくコイツが目覚めたらちゃんとフォローするんだぞ!?」 女向ゲー「ふふっ、目が覚めたら“犯人”認定されるかもね」 文芸・書籍サロン板と知り合い。 探偵事務所の所長は心理学板。 冬到来ということで、ミステリー板の小ネタ投下。 好感度400以上必要なイベント。 冬休みに入り、女向ゲーはミステリー板に誘われてスキー旅行に出かけることにした。 レンタカーで走ること5時間、ようやく宿泊先に到着した。 女向ゲー「わあ、可愛いペンションですね」 ミステリー「喜んでもらえて良かった。スキー場から遠いのが難点だが……料理が自慢という点に期待しよう」 女向ゲー「雪も十分に積もってるし、思いっきり楽しめそうですね」 ミステリー「そうだな。……ただ天気が心配だ。今夜から吹雪になると予報で言っていた」 女向ゲー「じゃあ、今日は早めにペンションに戻るようにしましょう」 ミステリー「ああ、その方がいいだろう。……それに、君とゆっくり話せるというのも魅力的だ」 女向ゲー「もう、何言ってるんですか!」 ペンションの玄関のドアを開け、中に入っていく2人。 それが惨劇へと続く扉とは知らずに……。 続……かないw ペンションのオーナーはホテル・旅館板かな? 宿泊客に冬スポーツ板、スキースノボ板、グルメ外食板、サバゲー板、国内旅行板あたりがいると妄想。 だとするとペンションの名前は『シュプール』で決まりだな ヒロイン「犯人はヤス!」 続かないと言ったけどミステリ小ネタ追加。 映画予告風ダイジェスト。 ホテル・旅館「自分の家のように寛いでくれたら嬉しい」 ボーンボーンボーン…… 居間の柱時計が鳴り響く。 冬スポーツ「……あれ?おかしいなぁ、スノーモービルのエンジンがかからないよ」 ――にゃあ 鳴きながら廊下の奥へ消える黒猫。 スキースノボ「オレ様のテクニックなら楽々下山できるぜ?吹雪なんて関係ない」 ドンドンドンッ! 激しく叩かれるドア。 グルメ外食「……私は自分の部屋にいよう。オーナー、ワインとチーズをいただけるかな?」 ガチャン! どこかで何かが割れる音。 サバゲー「目標発見!追跡開始!」 ギシ……ギシ…… ゆっくりと近づいてくる足音。 国内旅行「嫌っ!もう、何なのよ!私はただ温泉とエステと美味しい料理を楽しみたいだけなのに!!」 震える女向ゲーを引き寄せ、ぎゅっと抱き締めるミステリー板。 ミステリー「必ず君を守る。……僕の全てをかけて」 女向ゲー「……うん」 暖炉の脇に立ち、1点を指差すミステリー板。 ミステリー「犯人は……あなただ」 設定のない板を勝手に使ってスマン。 後で設定を作る時はこれを気にしないで欲しい。 スピンオフ映画『雪山山荘殺人事件!ゲレンデが溶ける頃、アナタを思う私がいる』意味不明な長いタイトルと共に、脳内を駆け巡った